知識の差が命の格差になる前に、歌と映像で全国の子どもへ届けたい。
株式会社岡崎竜城スイミングクラブのプレスリリース
株式会社岡崎竜城スイミングクラブの子会社である一般社団法人パワーストローク(本社:愛知県岡崎市、代表:大森久美)は、全国の子どもの半数以上にあたる53%が水難時の対処法「浮いて待て(ウイテマテ)」を知らないという調査結果を受け、溺水事故から命を守る行動を普及するミュージックビデオ(MV)制作プロジェクトを開始しました。
クラウドファンディングURL:https://readyfor.jp/projects/uitemate
5月26日より制作費用を募るクラウドファンディングを実施し、夏前に全国への展開を目指します。

背景
子どもの水難事故は依然として発生しており、特に川や海での事故では発見までに時間を要するケースが多く、深刻な結果につながる可能性があります。
水難時に有効とされる「浮いて待て(ウイテマテ)」は、仰向けに浮き体力の消耗を防ぎながら救助を待つ水難時の基本の方法として知られています。しかし、当クラブおよび一般社団法人パワーストロークが調査会社を通じて調べた結果、全国の小学生の53%がこの対処法を知らないことが明らかになりました。
また、実際の水難事故は衣服を着た状態で発生するケースが多いにもかかわらず、「着衣泳」を経験したことがない、または存在自体を知らない子どもも多いという実態がありました。
課題:親子で分断された「危機対応」
小学生の子どもがいる家庭を対象に行った今回の調査からは、子どもと親の双方において、水難時の正しい行動が共有されていない構造が浮き彫りになりました。
◼︎調査で明らかになった実態

子どもは適切な対処行動を知らず、親もまた危険を知っていながらも、リスクの高い行動を選択してしまう――。親子双方への正しい水難対処法の普及の必要性が、この調査から明らかになっています。
◼︎教育構造の課題:「泳げても助からない」
そもそも学校で水泳授業が行われるようになったのは、水の事故から子どもたちを守ることを目的としていました。しかし、学校水泳の普及の過程で、現在の水泳授業はクロールをベースとし、「泳げるようになること」を主目的としており、距離やタイムを評価軸に、水着・プール環境を前提とした指導が中心となってきました。もちろん、水泳はスポーツとして身体に及ぼす好影響が多く、何よりも子どもたちが「水遊び」を通じて豊な心を育むために最適です。さらに、国連が定義する水難を防ぐ方法の一つに「泳げるようになること」とあり、泳力を高めることと水難防止は完全に無関係ではありません(United Nations, World Drowning Prevention Day)。一方で、実際の水難事故現場では、浮いて待つ行動の習得、着衣状態での対応、そして自力で泳ごうとせず救助を待つという判断が求められます。これらは現状のカリキュラムでは十分にカバーされていません。
例えば、水難訓練に国家として取り組んでいるオランダでは、SWIM ABCという全国のプログラムを通じて、クロールではなく背浮きやヘッドアップスイム(顔をつけないクロール)から教えるという、水難に特化した水泳のカリキュラムを実施しています。
クロール・25m完泳を重視する日本では、結果として、「泳げても助からない」という状況が生まれる可能性が高いと考えられます。

◼︎学校水泳の現場:子どもたちのプール離れ
水泳が文部科学省が定める学習指導要領に盛り込まれたことにより、全国の小中学校で次々と学校プールが建設されました。しかし、今この数が大幅に減少しています。スポーツ庁が発表している「我が国の体育・スポーツ施設―体育・スポーツ施設現況調査報告―」(2023年5月発表)によると、2018年当時の公立小学校の屋外プール設置率は94%、中学校は73%でしたが、2021年には小学校87%、中学校65%まで減少しているという結果が顕になりました。
1960年代に一斉に建てられた学校のプールが全国で同時に建替の時期を迎えている今、その工事費は多額です。そもそも水泳授業を行なってきた教員の多くは水泳指導の経験が乏しく、その結果悲しい事故を招いてしまった過去もありました。事故防止のために環境や人材が十分確保されていないこともあって、プール維持費・工事費や水泳授業を行うための教員の負担を考慮し、建替を行わない決断をする学校が増えています。
学校プールが閉鎖されたあとも、一部では民間のスイミングスクール等へ委託をすることで水泳授業を維持できている地域もありますが、少子化の影響、そしてスイミングスクールもまた建て替え時期を迎えており、地域によっては委託先のスイミングスクールの候補がない場合もあります。
結果として、子供達が水泳授業に触れられる機会は年々減少しており、「泳げるようになる」というゴールすらも達成できない地域が頻出しています。

取り組み:音楽と映像で行動を定着させる
公共教育から水泳が失われていく状況に我々は危機感を覚え、なんとか子どもたちが水難の基本について学ぶツールを提供することができないかと、長年思考してまいりました。
結果、当クラブでは、子どもたちが直感的に理解し、行動として定着できるよう、音楽と映像を活用したミュージックビデオ(MV)を制作します。
目指すのは、親も子も一緒に歌って踊りながら自然に水難の知識が体得できる、いわば「みんなのうた」のような存在です。覚えやすいメロディと振り付けに、「浮いて待て」の基本姿勢、衣服を着た状態での体の動かし方、無駄に泳がず体力を温存する動き、そして自力脱出を試みず救助を待つという判断――水難事故の現場で本当に必要となる行動を織り込み、楽しみながら繰り返し触れることで、いざというときに体が動く状態をつくります。
家庭で歌う、学校で踊る、地域のイベントで一緒に口ずさむ。そうした日常への浸透を通じて、単なる知識ではなく行動として水難対応を定着させることがこのMVの狙いです。
もちろん、水難対策は実際にプールに入り、実技で習得することがベストです。しかし、様々な理由からそれが叶わない子どもたちを置いてきぼりにしないように、MV作成を志しました。このMVが各家庭や教育現場で水難への関心を持つきっかけとなり、結果的にプールでの実践につながる入り口になってくれることを期待しています。

◼︎プロジェクトの展開
本プロジェクトは、教育機関への無償提供、動画プラットフォームでの公開、親子双方への啓発を前提とした社会啓発施策です。クラウドファンディングを通じて広く支援を募り、社会全体で取り組む形での普及を目指します。

◼︎今後の展開
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2026年夏:MV公開予定
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教育機関・自治体への提供
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水難事故多発地域での普及
将来的には、「浮いて待て」と「着衣泳」が社会の基礎知識として定着することを目指します。


代表メッセージ
一般社団法人パワーストローク
代表理事 大森 久美
今回の調査で明らかになったのは、「知識・経験が得られていない子ども」と「危険な行動を選びかねない親」という構造です。しかし、ノウハウがないことは彼らの責任ではなく、その機会が与えられていない現状が問題です。水難事故は一瞬で起きます。その瞬間に正しい行動がとれるかどうかが、生死を分けます。だからこそ、知識だけでなく、体で覚える教育が必要です。我々が長年水難事故と子どもたちと向き合ってきた中で、この問題を軽視する人はいませんでした。だからこそ、正しいツールさえあれば、守られる命が増えると確信しています。このプロジェクトを通じて、親子で共有できる新しい水難教育の形を広げていきたいと考えています。
応援メッセージ
一般社団法人水難学会 会長/明治国際医療大学 教授
木村 隆彦 氏
「ういてまて!」これは、水の事故から命を守るための合言葉です。水難の多くは、衣服を着た状態で起こっています。
また、自然の中では波や流れ、水温などが、さらに身体の自由を奪い、生還を困難にします。
水難学会が提唱する「ういてまて:浮いて救助を待て」は、水難から命を守るための重要な基本行動として位置づけられています。
泳ぎには不利な衣服を浮ために活用し、運動靴やサンダルの浮力により「背浮き」の安定性を確保します。
水難事故を伝える報道ではよく聞く言葉てはありますが、この知識や技術は十分に社会へ浸透しているとはいえません。
今回のプロジェクトは、子どもたちが音楽や映像を通じて自然に水難時の行動を学べる、新しい教育アプローチだと感じています。
本来は着衣状態で水に入り、背浮きを経験することが理想です。しかし、市民にとって、その機会を得ることが難しいといった現状を踏まえると、
ういてまてを習得するための、親子で共有できる水難教育素材としての可能性に期待しています。
水の事故から命を守るために、「まず知る」「まず考える」きっかけをつくることは、社会全体の水難リテラシー向上につながる
重要な一歩だと思います。

クラウドファンディング概要
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実施期間 |
5月25日〜6月30日 |
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URL |
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目標金額 |
300万円 |
団体概要

【一般社団法人パワーストロークについて】
一般社団法人パワーストロークは、2021年設立の、水難事故防止と「命を守る知識」の普及を目的とした団体です。ビジョンに「人と水の共存社会実現」、ミッションに「水難訓練が当たり前の社会づくり」を掲げ、水難訓練(着衣泳)を中心とした教育・普及活動を行っています。
主な事業として、学校・自治体・企業等への水難訓練の提供、着衣泳を指導できる民間資格「着衣泳訓練士」の育成、水難事故防止に関する啓発活動を実施。泳力に応じた段階的な指導カリキュラムを特徴とし、泳ぎが苦手な方でも学べる実践的な訓練プログラムを提供しています。
また、母体である創業50年以上のスイミングクラブで培われた着衣泳・水難訓練の知見を基盤に、国内外での普及活動を展開。沖縄、米国(ダラス)、シンガポール、インドなどにも活動拠点を持ち、各地域の実情に合わせた水難教育の普及に取り組んでいます。
【本件に関するお問い合わせ】
一般社団法人パワーストローク/株式会社岡崎竜城スイミングクラブ
所在地:愛知県岡崎市
担当:大森玲弥 TEL:0564-24-7778 E-mail:info@tatsuki-sc.jp

