【東京オリンピック・陸上】池田向希・山西利和が男子20km競歩で日本人初のメダル獲得!

公益財団法人日本陸上競技連盟のプレスリリース

8月5日(木)陸上競技大会7日目の午後は、北海道札幌市が会場となる男子20km競歩決勝から始まりました。レースは、夕刻の16時30分からのスタートでしたが、この日の札幌は暑さが厳しく、日中の気温が東京とほぼ同じに。20km競歩も、スタート時点は気温31℃、湿度63%というコンディションで、その後、気温は下がったものの湿度が上がったことで、スタート時は29℃だったWBGT(湿球黒球温度;暑さ指数)が30℃に上がる厳しい状況下でのレースとなりました。
日本からは、メダル獲得を懸けて、山西利和選手(愛知製鋼)、池田向希選手(旭化成)、高橋英輝選手(富士通)の3選手が出場しました。暑さの影響もあり、レースはスローな入りとなり、3.5km付近で3月に世界歴代3位の1時間16分54秒をマークしている王凱華選手(中国)らが飛び出す場面もありましたが、12.5km付近で山西選手が牽引する形で後続が追いつき、その後は7名の先頭集団となりました。
勝負所となったのは、その7人の集団が、17km過ぎたところで山西選手の仕掛けによって山西選手、マッシモ・スタノ選手(イタリア)、池田選手の3人に絞られてから。山西選手は、ここで1kmのペースを4分04秒から3分48秒に引き上げるペースチェンジで逃げにかかりましたが、2人を振りきることができず、逆に18kmを過ぎたところで後れ始め、19km地点で6秒の差をつけられてしまいました。ラスト1周で池田選手も突き放され、スタノ選手が1時間21分05秒で優勝。池田選手が1時間21秒14秒、山西選手が1時間21分28秒をマークして2位・3位で続きました。目標に掲げていた金メダル獲得はなりませんでしたが、今大会における陸上競技最初のメダルを、一度に2つ獲得する素晴らしい結果です。オリンピックでの男子20km競歩のメダル獲得は今回が初めて。また、同一種目で複数のメダルを獲得したのは、実に1936年ベルリン大会以来となる快挙でした。
高橋選手は、序盤は集団の中でレースを進めていたものの、5km付近から徐々に後れ始める苦しい展開に。徐々に順位を下げて、32位・1時間27分29秒でフィニッシュ。前回(42位)よりは順位を上げましたが、雪辱を果たすことは叶いませんでした。
 

◎池田向希選手(旭化成)コメント
男子20km競歩 決勝 2位 1時間21秒14秒

(ガッツポーズでのフィニッシュだったが、の問いに)嬉しさが出て(ガッツポーズした)、2位ではあったが、メダルを1つの目標にして、ここまでずっとやってきたので、達成できて嬉しい気持ちでいっぱいだった。
(序盤で中国の王選手が出たときは)まだ序盤なので慌てるところではないなと、落ち着いて様子をうかがっていた。徐々に差が縮まっていくのがわかったので、思った通りだなと思い、あとはラスト5kmに余裕をもたせることを考えて歩いていた。
(17kmでの山西選手のペースアップについたが、の問いに)山西さんは強くて、ずっと負け続けてきたのだが、そのスピードやスパートへの対策に取り組んできた。この大舞台で対応することができて、今までの(練習の)成果がやっと(発揮することが)できたかなと思っている。
(これまでの取り組みを振り返って思うことは、の問いに)東洋大学に入学した当初は、ここまで自分が成長できるとは思ってもいなかった。(酒井)瑞穂コーチと酒井(俊幸)監督に出会って、毎日指導していただいて、大学を卒業して所属が変わっても、変わらず指導していただいている。そういった方々への感謝の気持ちが力に変わり、ラストで粘ることができたと思っている。

▼男子20km競歩 日本人初の銀メダル! 池田向希選手(旭化成)からのメッセージ

 

 
 

◎山西利和選手(愛知製鋼)コメント
男子20km競歩 決勝 3位 1時間21秒28秒

(開催)延期の期間も含めて、ここで「金(メダル)」を取るためにやってきたし、また、競歩という種目は、日本陸連のゴールドターゲットとして、さまざまな強化や支援をしていただいていたので、個人としても、日本競歩チームとしても、ここで「金」を取れなかったことを残念に思う。
ランキング1位とか、メダル候補とか言ってはいただいていたが、自分自身は、あくまで1チャレンジャーとして、初めてのオリンピック、初めてのオリンピックチャンピオンというところを目指してやってきたし、守りに入ったつもりもなかった。しかし、この結果ということは、準備の段階、ここまでの取り組みの段階で、何かしら甘さがあったのだろうと思う。
17kmのペースアップは、本当はあそこで後ろを(振り)払って、最後まで逃げきるところまでをイメージしていた。しかし、自分の余力の部分がなくなりすぎていた。ラストはもちろん苦しかったが、それまでのレースの運び方の部分で、あまりにも下手な部分が多すぎたなと感じている。そういう技術面というか、ちょっとした立ち回りの部分の反省点はあるが、でも、やっぱりあの展開をしても勝ちきるだけの強さがなければいけない。これまでの取り組み、準備、そういったものすべてを洗い出して、見直していきたいなと思う。
今回は、目標としていた金メダルを取ることができなかったので、もう一度、心技体すべて見直して、もう一度この舞台に戻ってきたい。次は「金」を取りに帰ってきたい。

▼男子20km競歩 日本人初の銀メダル! 池田向希選手(旭化成)からのメッセージ

 

 
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト

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