知財高裁の判決について

株式会社ツインズのプレスリリース

知財高裁の判決について

株式会社ツインズ
代表取締役社長 梶原 隆司

平素は弊社に対し格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社で所有する結ばない靴紐に関する複数の特許のうち、長田真和氏(以下「長田氏」といいます。)と弊社との間の共有特許(以下「本件特許」といいます。)について争われておりました訴訟(以下「本件訴訟」といいます。)におきまして、令和2年11月30日、弊社敗訴の判決が言い渡されました(知財高裁平成29年(ネ)第10049号損害賠償請求控訴事件)。
判決の内容は、弊社にとって身に覚えがなく、長田氏との間で本来そのような意味で解釈することのなかった約定の存在が一方的に認められ、それに違反したことにより、弊社が本件特許の特許権者から離脱し、弊社による旧型キャタピランの日本生産が特許権を侵害するというものです。
他方で、判決では紛争の一因となった長田氏の言動や行為は不問に付されており、今回の結果は甚だ不本意であります。日頃、キャタピランをご愛顧いただいているお取引先の皆様、ユーザーの皆様におかれましては、ご心配、ご迷惑をお掛けし、大変申し訳ございません。
もっとも、判決において命じられた賠償額は弊社の想定の範囲内であり、弊社としては、判決が弊社およびキャタピラン事業に与える影響は極めて限定的なものと考えております。

なお、本件訴訟は弊社と長田氏との間で争われているものですので、お客様に直接ご迷惑をおかけするものではございません。
また、本件訴訟により侵害が認められた本件特許の対象は、以前に長田氏から供給を受けていた旧型キャタピランに限られております。新たに弊社で開発した「キャタピー+」シリーズは、本件特許及び本件訴訟とは関係がなく、新たな技術により弊社単独で取得した特許技術を用いた製品です。

皆様におかれましては、ご安心いただきますとともに、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

1.訴訟への対応
判決において示された知財高裁の判断内容は、弊社として到底納得できるものではありません。弊社は今後とも最高裁に対する上告及び上告受理申立てを含め、適切な法的手段を講じて引き続き争っていく所存です。

2.「キャタピー+」シリーズについて
現在お取り扱い頂いている「キャタピー+」シリーズは、上記のとおり、本件訴訟の対象ではなく、判決とは全く無関係の別の特許技術を用いた製品ですので、ご安心ください。
下記「キャタピン関連の特許群と相関図」に示すとおり、本件訴訟の対象となった特許は、旧型のキャタピランに関する2件の特許に限られております。弊社は単独で「キャタピー+」に関する特許を含む12件の特許網を有しており、皆様に安心して弊社の製品を購入して頂ける体制を構築しております。

3.弊社の今後の展開
弊社は、すでに旧型キャタピランの製造販売を終了し、本件特許に係る係争から決別した新開発品である「キャタピー+」シリーズを始めとして、多岐にわたり優れた製品の展開を進めております。更に、上記のとおり弊社製品を保護する多くの特許を取得しております。
弊社は今後とも、新たな技術と共に、更に努力を重ね新たな価値を皆さまに提供する事に全精力を注いで参ります。

以上の次第ですので、皆様におかれましては、今後とも安心して、弊社および「キャタピー+」シリーズをご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。 

           
        
令和2年 12月1日

判決に関する法律事務所のコメント

弊社は、本件訴訟について、弁護士法人内田・鮫島法律事務所に委任しております。以下に同事務所のコメントを掲載致します。

「本件訴訟において、長田氏は、同氏と株式会社ツインズ(以下「ツインズ社」といいます。)との間に、ツインズ社がキャタピランを販売する際、長田氏から購入しなければならないとの合意が存在すると主張していました。もっとも、原審である東京地方裁判所の判決は、かかる合意に関する契約書が作成されておらず、その他客観的な証拠も存在しないことから、合意の存在を認めず、長田氏の請求を棄却しました。これは、ツインズ社及び我々代理人の認識とも一致するところです。
ところが、令和2年11月30日付けでなされた控訴審の判決は、上記合意が認定できないにもかかわらず、従前問題とされていなかった長田氏とツインズ社との間の共同出願契約に記載された特定の約定について、ツインズ社が長田氏との協議や許可なくキャタピランを調達することを禁ずるものと解釈して、日本でキャタピランを調達したツインズ社の特許権侵害を認めました。
我々が本件訴訟に顕出した客観的証拠に基づけば、ツインズ社は、長田氏によるキャタピランの品質不良や大幅な値上げ等に対し、根気強く改善を求め、交渉を行っていたことが明らかです。かかる交渉にもかかわらず、長田氏との折り合いはつかず、ツインズ社は、これ以上の改善が見込まれない場合、日本の需要者に安全な商品を継続して提供するという事業者として当然の責務を全うすることができないと考え、長田氏に通知し、やむを得ず日本でのキャタピラン調達を実施したものです。また、ツインズ社は、日本での調達を実施するにあたり、多くの弁護士・弁理士等の専門家に意見を求め、契約違反はないとの認識の下で誠実に進めておりました。
このような経緯から、ツインズ社の行為が一方的に特許権侵害とされることが、本事案においてあり得るべき衡平な結論であるとは思われません。
加えて本件訴訟では、ツインズ社が長年にわたる多大な営業努力の末に築き上げたキャタピランブランドに基づく同社の利益を、従前日本で販売を実施しておらず、同社の開拓した潤沢な市場において事後的に日本で販売を開始した長田氏の損害額として推定し、ツインズ社にその支払義務を課しています。これは、我々の考える公正な正義の実現からは乖離した一方的な結論であり、納得できるものではありません。
もとより判決によるツインズ社への影響は限定的なものですが、本件判決に対しては、これを覆すべく上告審に全力を尽くすことが、ツインズ社の正当な利益を保護するための唯一かつ不可欠の道であると考えております。」

弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 鮫島 正洋
弁護士 森下  梓

【本件に関するお問合せ先】
株式会社ツインズ 担当:山内
電話:047-449-8380 
FAX:047-449-8381
メールアドレス:info@twins-corp.com 

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