世界基準のテニスのレーティングシステムUTRを導入した新プログラム「UTR Japan gram3 次世代育成プロジェクト」始動

株式会社グラムスリーのプレスリリース

 株式会社グラムスリー(所在地:東京都港区、代表取締役:坂本 明)は、次世代のジュニアのテニス選手を対象に育成を目的とした、「UTR Japan gram3 次世代育成プロジェクト」を発足します。

グラムスリーがマネジメントする選手たち:左から 奥脇 莉音、尾﨑 里紗、加治 遥、村松 千裕、日比 万葉グラムスリーがマネジメントする選手たち:左から 奥脇 莉音、尾﨑 里紗、加治 遥、村松 千裕、日比 万葉

 「UTR Japan gram3 次世代育成プロジェクト」は、単にテニスの技術向上を目指すプログラムではありません。グラムスリーはこれまでプロテニス選手のマネジメントを行ってきました。この経験を土台に、テニスでは世界基準となっているレーティングシステム“UTR”を採用した大会や練習試合などを開催することにしました。これらを通じ、海外の大舞台を知るコーチ・選手とジュニア選手の交流機会を設けることにより、プロテニスの世界や、プロを目指すための心構えやハウツーなどを少しでも理解してもらうだけでなく、ジュニア選手や保護者の悩みに寄り添い、次の世代のプロを目指す子供たちをサポートし、将来日本からグランドスラマーを輩出するための一助となることを目的としています。
 そして、プロにならなかったとしても、このプロジェクトに参加したことで、子供たちのテニスに対する取り組み方が変わり、その後の人生に役立つようなものにしていきたいと考えています。
 プロジェクトでは、UTRを採用した大会や、練習会、合宿の開催などを実施していく予定です。その第一弾として、9月20日(日)、21日(月)に神戸のロイヤルヒル`81 テニスクラブにて、ジュニア選手32人が参加するUTR公認マッチ(U13・U11シングルスマッチ in 神戸)を実施いたします。
 

  • 世界基準のレーティングシステム“UTR”を採用し、世界のレベルを感じてほしい

 UTR(Universal Tennis Rating)はこれまでの選手のランキングとは違って、さまざまの試合の成績を統一した基準で評価し、その選手のレベルを客観的に示してくれます。2008年にスタートした格付けシステムで、現在、全世界で200か国以上の国で、プロ、アマを問わず約170万人以上の選手が登録している世界基準のシステムです。性別や年齢、国籍、テニスのレベル関係なく、全ての選手が気軽に世界にアクセスできる仕組みづくりを特徴としています。ATPやWTA、ITF、テニスヨーロッパなども導入しています。
 UTRの評価基準は、試合の勝ち負けだけでなく、大会の規模、試合内容なども勘案されます。選手はUTR公認であればどの試合に出場しても、その結果が反映され、自分が、世界でどのくらいのレベルにいるかを1.0から16.5までの数字で可視化され、客観的に知ることができます。
 日本では、全日本ジュニアに照準をあわせてしまっており、UTRを積極的に導入するメリットを見出せていないのが現状です。しかし、世界のスタンダードとなり、そのメリットが知られるようになり、ここ数年日本のテニス界では急に話題に上がるようになりました。
 グラムスリーは、これまでの活動からジュニア選手の育成方法について問題意識を抱き、試合内容も重視される点でジュニア選手の育成ツールのひとつとして有効であると考え、サンフランシスコのUTRの本部と交渉し、日本で他に先がけてグラムスリーがUTR公認の試合を開催できるようにしました。

●「UTR Japan gram3 次世代育成プロジェクト」について
年  会 費:無料
主な活動内容:練習会の開催、UTRを採用した大会の開催、テニス選手との合宿の開催、プロテニス選手との交流会の開催
登 録 URL:https://forms.gle/7qCx5v5TPzynfqAB7
運    営:株式会社グラムスリー
 
●第一弾UTR公認マッチ(U13・U11シングルスマッチ in 神戸) 概要
内    容:UTR公認マッチ1日2試合以上
会    場:神戸のロイヤルヒル`81 テニスクラブ
種    目:11歳、13歳以下男子・女子シングルス<定員32名>
試合  方法:ベスト・オブ・3ショートセットマッチ
参 加 費 :UTR Japan gram3会員10,500円/一般12,500円

■プログラム立ち上げの背景
 株式会社グラムスリーでは、これまでに培ってきたPR(パブリックリレーション)やマーケティングサポートの経験を活かして、2017年からテニス界をサポートする新たな取り組みを行ってまいりました。現在では、プロ選手5名のマネジメントを行っています。その他、プロテニスツアーや選手情報の紹介、帯同コーチの待遇改善、メンタル・栄養管理まで行うトータルサポート、選手のロジスティクスサポート、世界各地での練習場所確保のためのマッチングサポート、ツアーを回るための新たな資金調達の枠組みの創造などに取り組んでいます。
 これまでの活動の経験から、現代の日本のジュニア選手の育成にはさまざまな課題があり、新しいコンセプトに基づきこれからテニス界を担っていく次世代の選手たちを育成することが、テニス界をより盛り上げることにつながると考え、このプログラムを立ち上げました。
 

  • 1つの試合の勝ち負けだけにこだわらない「テニスツアー」の価値を伝えたい

 現在、日本では1つの試合の勝ち負けを重視してしまっている状況にあります。その原因のひとつとして、日本のテニスの試合は、野球の甲子園のように一本線で、たとえば、県大会の一回戦で負けると、そのあと試合が何か月もなくなり年間の目標を見失ってしまうジュニア選手が少なくありません。このため、そのような大会のひとつの試合の勝ち負けにこだわり過ぎてしまう傾向にあります。このような環境が、ジュニア選手にはプレッシャーとなり、成長を止めてしまうのではないかと考えられます。
 一方、プロになると、例えば男子のATPランキングでは、直近52週間に出場した大会のうち獲得したポイントの高い上位18大会のポイントの合計でランキングが決まります。ある大会で初戦で負けても、すぐに気持ちを切り替えて翌週の試合に挑まなければなりません。これがテニスのツアーなのです。試合に負けたとしてもその選手の成長の過程においては大切な経験であり、次につなげるにはどうしたら良いかを考えることが重要なのです。
 私たちは、ジュニア選手たちが、チャレンジできる場を多く作ることによって、チャレンジ精神を養い、あらゆる可能性を広げていくことができるのではないかと考えました。
 

  • テニスというスポーツの本質を少しでも伝えたい

 テニスは、孤独なスポーツです。コートに入れば、もうコーチのサポートはありません。相手に立ち向かい、自分で判断し、決断し、問題を解決することを求められるスポーツです。また、全世界で大会が開かれるグローバルなスポーツであり、視野が広がるスポーツです。テニスを続けることで、最後までやり抜く力がつき、それは、大人になった時、役立つと考えています。テニスというスポーツのもつ本質をこのプログラムを通して多くのジュニア選手に理解してもらいたいと思っています。

■「UTR Japan gram3 次世代育成プロジェクト」担当者の思い
 

【プロフィール】
渡部 健介(わたべけんすけ)
1982年3月10日生まれ。大阪府出身。
University of Nevada, Reno (ネバダ州立大学卒業 心理学専攻)在学時はNCAA1部リーグでプレー。4年生時はキャプテンを務める。現在は選手育成に留まらず、指導者育成の環境づくり、スポーツを通じて海外と日本を繋ぐ役割、スポーツの価値を活かした地域での次世代育成、アスリートのマネジメント、交渉、戦術など、スポーツの価値向上における戦略などの軍師として業務は多岐に渡る。
 

・勝ち負けへのこだわりが、ジュニア選手たちをつぶす

 日本でプレーし、やたらに試合の機会の多いアメリカの大学でプレーし、帰ってきて自分がジュニア選手の指導者になったとき、一番感じたのは次のような疑問でした。
 つまり、親たちが目先の勝ち負けに一喜一憂し、そのプレッシャーのため、日本のジュニア選手たちは、純粋にプレーに向き合えていないのでは?ひいては、テニスを途中でやめたり、嫌いになっている原因では?
 負けられない試合があるのは事実です。しかし、さまざまなものを吸収する成長期、チャレンジし、その結果での負けは次への糧になるはず。年間を通じたツアーで勝ち負けを繰り返し、どういうプレーをしてきたかで評価されるのがテニスの世界標準です。
 グラムスリーとしては、そのようなプレッシャーでテニスをやめてしまう次世代の選手たちを増やさぬよう、テニスの本当の価値を伝えたいと思っております。

・親の悩みにも向き合って
 次世代育成プロジェクトの対象は第一に選手自身ですが、すでに触れたように、日本のテニスをめぐる大きな課題は、親たちの勝ち負けにこだわる意識が、ジュニア選手の育成にねじれをもたらしている点です。
 実は、親たちも悩んでいます。「知らず知らずに子供にプレッシャーをかけているのではないか」「試合の結果についてどこまで子供に声をかけていいのか、分からない」という本音の相談も少なくないのです。
 このため、次世代育成プログラムでは、試合やイベントの機会をとらえ、親やコーチなどとのコミュニケーションの場を設け、子供たちをよりサポートできる環境づくりについて共に考えることにしています。

・海外の大舞台を知るコーチが指導
 本プログラムでは、グランドスラムをはじめ世界の大舞台を知っているグラムスリーのコーチがジュニア選手たちを指導したり、世界を相手に闘うプロテニス選手に直に接する機会も設け、ジュニア選手が刺激を受け、より広い視野をもってテニスを続けていけるようにしたいと考えています。

■現役プロテニス選手からの期待
 

【プロフィール】
江崎グリコ所属・尾﨑 里紗(おざきりさ)選手
1994年4月10日生まれ。兵庫県出身。
世界ランキング最高70位。日本ランキング最高1位。ダイナミックかつパワフルなフォアハンドは見るものを魅了する。小学6年生で全国小学生大会優勝。2012年にプロ転向し、2014年にフェドカップの日本代表に選出される。すべてのグランドスラムで本戦を戦った経験を持つ。大坂なおみ選手とは過去に3度対戦した。

・「勝てればいい」では成長できない
 プロのテニス選手ですから、今は勝ち負けにこだわらざるを得ません。しかし、これまでを振り返ると、「どういう試合内容であれ、勝てばいいや」という気持ちがどこかにあり、それが続いた時期は、だんだん成長のスピードが遅くなる、ということは自分でも実感しました。練習してきたことを発揮できれば、たとえ負けてもプレーのスキルが上がり、次の成長の手がかりをつかめます。これはジュニア選手たちにとって大切ではないでしょうか。
 また、プロにとっても、ジュニア選手にとっても、試合の勘を維持するのは重要です。日本のこれまでの公式大会は一本線のトーナメント方式で、たとえば一回戦で負けると次がなく時間があき、試合の勘が鈍ってしまいます。これまでのランキングは、大きな大会の成績が反映されますが、UTRの場合、公認の試合であれば、どの大会に出ても、世界共通の一本の評価軸で格付けされます。ですから、いくつもの試合に出て勘を維持できるメリットがあります。試合内容も重視された格付けもついてきますから、選手の成長に役立つはずです。

・狭い周囲の評価から離れて
 もうひとつ、これはコーチからも言われたことですが、「テニスは、目も前の相手と戦うものなのに、里紗は周りの評価と戦っている」と。このように周りの評価をあまりに気にする意識が、早い段階から出てくると、自分が何と戦っているかわからなくなり、テニスがつまらなくなってやめてしまったり、あるいは反対に燃え尽きてしまい、続けられなくなったりする人が出てくるのです。
 その意味で、UTRの格付けは、親やコーチなどの狭い世界の評価ではなく、試合の内容も含めて自分を世界という大きな枠組みのなかで評価してくれますから、選手が自分と向き合うための、大きな助けになると思います。

■本件に関するお問い合わせ先■
株式会社グラムスリー 担当:川原・山下
TEL:03-6826-7733 FAX:03-6402-0302
MAIL:info-tennis@gram3.com
(受付時間 月~金 10:00~18:00 土日祝を除く)

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