五輪メダリストが豊橋市花田小で特別授業、「こうなる」と思い込む力が道を切り開く

豊橋市のプレスリリース

 世界を舞台に活躍したオリンピックメダリストを招いた特別授業が2026年10月7日(水)、愛知県豊橋市立花田小学校で行われました。講師を務めたのは、ソフトボール日本代表としてシドニー、アテネの両五輪でメダルを獲得した内藤恵美さん(47)。5、6年生約140人を前に、感謝の気持ちを持つことの大切さや、「こうなりたい」ではなく「こうなる」という強い意志が夢をかなえる原動力になることを伝えました。

 今回の特別授業は、自分の意志で人生を切り開いていく強い気持ちを児童たちに養ってもらおうと、同校が企画。講演会で内藤さんは自身の競技人生を振り返りながら、仲間との絆や支えによって絶望を乗り越えた経験を語りました。

 19歳で日本代表入りした内藤さんは、シドニー五輪で銀メダル、アテネ五輪で銅メダルを獲得。「次は金メダルしかない」と挑んだ北京五輪の年に、2度のアキレス腱断裂という大けがを負い、チームを離脱しました。

 「真っ暗で絶望的だった」と振り返るほどの大きな挫折。「4年間金メダルを取るためだけに、すべての時間を費やした」と語る内藤さん。絶望の中にいたとき、チームメイトから届いた「一緒に戦いたいので、絶対に北京へ来てください」という連絡に背中を押され、試合会場へと向かいました。

 そこで目にしたのは、ベンチに飾られた内藤さんのユニフォーム。表彰台でも内藤さん手製のお守りと金メダルを掲げるチームメイトの姿がありました。その姿に心を動かされ、「もう一度このグラウンドに戻って、みんなとソフトボールがしたい」と再び前を向く力を取り戻しました。その後、2010年の広州アジア大会では日本代表のキャプテンとして金メダルを獲得。有終の美を飾り、引退しました。

 内藤さんは「『なんで私なんだ』と下を向くことは誰にでもできる。だけど、苦しいときこそ自分としっかり向き合い、考えて行動することが大事だと学びました」と振り返りました。

 さらに「(仲間や応援してくれる人への)感謝の気持ちは夢をかなえるための大きな力になる」と説明。練習に励むことはもちろん、前向きな言葉を使い、日々の小さな行動を積み重ねることが、夢の実現につながることを伝えました。

 競技人生を通して学んだこととして、「自分の目標や夢があるのなら、きつい方を選択してみてください。楽な方を選んでいると、自分の目指すものには近づけません 。きつい方、厳しい方を選べば、必ず何かしら道が開けてきます。そこにいい出会いがあり、感謝の気持ちを持てれば、さらにいい道が開けてきます。必ず、なりたい自分に近づいていけます」と児童たちに呼びかけました。

「こうなりたい」ではなく「こうなる」、強い意志が道を開く

 内藤さんは、小学校から夢中で取り組んできたソフトボールを通じて、強い意志を持ち続けることの大切さについても説きました。

 中学3年のときに日本一の強豪チームとして知られる「豊田自動織機」のソフトボールチームの練習を見たことで同社への入団を決意。高校3年の進路相談で入団を希望しましたが、高校の先生からは「お前が行っても通用しない」「やめとけ」と猛反対を受けました。それでも「行けないならソフトボールをやめる」と言うほどの覚悟で、何度も直訴を続け、熱意に根気負けした先生がチームに連絡を入れてくれたことで入団を勝ち取りました。

 「何かをやるとき、最初から自信がある人はいない。けれど、『こうなりたい』ではなく『こうなる』と思い込み、信じ続ける力は大きい。ここから私の競技人生が変わりました。先生に無理だと言われたけれど、あの時、諦めなくて良かった」と話し、強い思いを持ち続ける大切さを伝えました。

 最後に児童からの質問に答える時間も設けられました。「プロ野球選手になるために今やるべきことは?」という問いに、内藤さんは「大きい目標を達成するために、小さい目標をたくさん立てて、1つクリアしたら、また次の目標をつくっていくこと。あとは、練習をしっかり継続すること」とアドバイス。目標に向かって一歩ずつ努力を重ねる重要性も語りました。

 参加した6年生の女子児童は、「『こうなりたい』ではなく『こうなる』と意識することが大切だと学びました。私も目標に向かって小さな努力を重ね、将来は人を助けられるような仕事に就きたいです」と感想を話しました。

体育の授業や給食でも交流

 講演会後には、体育の授業でも講師を務めました。特別支援学級では、足じゃんけんやスカーフキャッチなどを通して、複数の動きを組み合わせながら、自分の体を思い通りに動かす力を育むとともに、体を動かす楽しさを伝えました。

 3年生の授業では、ソフトボールの基礎を指導。投球では体を横向きにして前の足を投げる方向へとまっすぐ踏み込むこと、バッティングでは傘をさすときのような高さでバットを構えるなど、基本姿勢を教えました。

 この日、内藤さんは特別支援学級の児童たちと給食も一緒に楽しみました。メニューはサバの味噌煮やレンコンの炒め物など。憧れのトップアスリートを前に、児童たちの箸も普段以上に進みました。どちらがたくさん食べられるか競争する児童も。メダリストとの交流を通じて、児童たちはトップアスリートの凄さを体感していました。

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