産業能率大学のプレスリリース
産業能率大学スポーツマネジメント研究所(所長:中川直樹 情報マネジメント学部教授)は、2026 WORLD BASEBALL CLASSIC(以下WBC2026)の大会後に、大会前の全国1万人アンケートの追跡調査を実施しました。
回答人数は1,000人。調査内容は、全試合の結果認知とリアルタイム観戦率、日本代表選手の活躍満足度、Netflixの加入・継続動向、非加入者の代替手段、WBCの評価やユニバーサルアクセス権に関する意識などです。
1.試合内容認知率とリアルタイム観戦率

2.日本代表選手の活躍満足度※1 ※1:その選手を認知している回答者の中で何%が「活躍に満足している」と回答したか

3.WBC2026視聴目的のNetflix新規加入者と通常契約者との継続意向比較

4.Netflix非加入者N=733※2の情報入手経路 ※2:WBC2026開催中の入会者には未加入期間について質問

5.意識調査※3 ※3:専門知識や興味ないと回答しづらい質問には選択肢「わからない」を設け、それ以外の回答を有効回答とした。

1.試合内容認知率とリアルタイム観戦率
WBC2026の1次ラウンド(4プール40試合)と準々決勝4試合、準決勝2試合、決勝1試合の全47試合について、最初に【試合内容認知】の質問を行い、続いてそれらの試合の【リアルタイム観戦】について尋ねました。
調査を実施した1,000名のうち、「リアルタイムで観戦した試合がない」の回答者は71.6%でした。これは今回のWBCがNetflix(ネットフリックス)によるライブ中継の独占配信という、前例のない視聴環境だったことが一因と考えられます。
下の2つの表は、いずれも1,000人を分母に計算した【試合内容認知率】と【リアルタイム観戦率】のトップ10です。


【試合内容認知率】の1位は準々決勝のベネズエラ戦。トップ5はいずれも日本戦で認知率40%を超えました。続く6位が決勝戦、7~8位が準決勝という順当な結果でした。9位には同じプールCを戦った韓国の準々決勝の試合が入り、10位は今大会最大の番狂わせともいわれたイタリアがアメリカを破ったプールBの試合が入りました。
【リアルタイム観戦率】では、過去のWBCで幾度となく死闘を演じてきた韓国との試合が準々決勝を上回り1位でした。6位の決勝戦は日本時間の平日午前中ということもあり5%を割りました。プールC(東京ラウンド)は時差がないため、視聴しやすい時間帯の試合もありましたが、Netflixによる独占配信の影響か、7位以降は2%を切る結果でした。
2.日本代表選手の活躍満足度
日本代表「侍ジャパン」の30選手に関しては、最初に知っている選手を選ぶ【認知選手】の質問を行い、続いて認知選手を対象に【活躍満足】を尋ねました。いずれも該当する選手全員を選択できる質問です。
「活躍満足」度数を「選手認知」度数で割った値を【活躍満足度】と定義し、MLB(メジャーリーグ)とNPB(日本プロ野球)の所属ごとにそのトップ5を以下の表にまとめました。チームのベスト8敗退を受け、一部で評価が分かれる結果となりましたが、世界と戦う雄姿に満足した回答者も数多くいたことが確かめられます。


3.Netflixによる独占配信
今回のWBCは、ライブ中継の視聴がNetflixの契約者に限られるという異例の大会でした。本章では「大会前契約意向の検証」と「今後の契約継続意向」に分けて、調査結果を掘り下げます。
3-1.大会前の契約意向の検証
本研究所ではWBC2026が開幕する3月5日のおよそ2週間前に当たる2月16日~19日に、日本在住の20歳~69歳の男女10,000人(総務省統計局最新人口推計の都道府県・性別・年代構成比に準拠)に対して「Netflixの契約状況・契約予定」に関する調査を実施しました。その際の契約予定者が実際にはどの程度入会したのか、3月19日~23日に1,000人に対して実施した大会後調査の結果に照らして検証します。

大会前調査では「WBC2026による新規契約」の最大値を「WBC2026が理由で契約」(4.9%)と「盛り上がり次第で契約検討」(8.8%)の合計値である13.7%と予測しました。大会後調査では、WBC2026を理由とする新規契約率は「開幕前に契約」(6.8%)と「大会期間中に契約」(4.7%)を合わせた11.5%となり、予測の範囲に収まりました。なお、大会前の「どんなに盛り上がっても契約しない」(68.0%)と、大会後の「大会期間を通じて、契約しなかった」(67.5%)はほぼ同率であり、大きな変化は見られませんでした。
他方で、大会前調査時よりも大会後調査時の方が「WBC2026以外の理由で契約」の比率が2.3ポイント上昇(17.3%から19.6%へ)している理由については、Netflixが2月19日から3月18日まで実施した「WBC応援キャンペーン」(広告付きスタンダードプランが通常の月額890円から498円に値下げ)の影響が少なくなく、WBC以外のコンテンツ視聴を目的とする層がNetflixに新規入会する動機付けになったと推測できます。
3-2.今後の契約継続意向
前節で触れた副次的な効果も含め、NetflixはWBC2026を機に理論上20代~60代の約14%にも当たる膨大な新規加入者(WBC目的11.5%+WBC以外2.3%)を獲得したと予測できます。その新規加入者の多くがキャンペーン終了後もサブスク契約を継続したらビジネス的にも大成功ですが、将来的な見込みはどうなのでしょうか。
そこで、「通常契約者」(開幕前からWBC2026以外の理由で契約していた)、「WBC目的の新規加入者」、「WBC目的以外の新規加入者」(大会期間中に、WBC2026以外の理由で契約した)の3つの区分に注目し、それぞれの継続意向を比較しました。
「ずっと契約を続ける予定」と「しばらくは契約を続ける予定」を統合して【継続予定】、「少ししたら解約する予定」と「最短で解約する予定/すでに解約済」を統合して【解約予定】と集約すると、通常契約者の継続予定率は95%を超えるのに対して、WBC目的の新規加入者では73.0%が解約予定であることが判明しました。該当者が少ないため不安定ではありますが、WBC目的以外の新規加入者もほぼ同様の比率であり、キャンペーン目的の加入という前節の仮説がほぼ裏付けられる結果となりました。

ただし、爆発的な新規加入者のうち約27%が継続見込みという点は、一過性と呼ぶには極めて大きな比率であり、WBC2026の独占配信ならびに応援キャンペーンを「成功」と評価することもできなくはないでしょう。
4.Netflix非加入者の情報入手経路
前章より、WBC2026開催期間中の最大のNetflix契約率(家族や同居者が契約し視聴可能な状態も含む)は31.1%に達していたと考えられますが、第1章では、それを大きく上回る「試合内容認知率」が示されていました。大会期間を通じて契約しなかった67.5%の人たちは常時、WBC2026の開催中に入会した人たちはNetflixに契約するまでの間、どのようにWBC2026の情報を入手していたのでしょうか。該当者733人の入手経路を【リアルタイム】と【ダイジェスト】に分けてまとめました。

【リアルタイム】では、「速報アプリ・速報サイト」が群を抜いて高く22.2%でした。2位は「SNS」でしたが、20代女性では、速報アプリ・速報サイトの11.9%を上回る23.8%でした。3位は地上波テレビ放送がされないことで再注目された「ラジオ放送・radiko」。こちらは50代男性と60代女性でSNSの値を上回りました。4位の「契約している友人・知人と視聴」は60代男女で、5位の「パブリックビューイング」は20・30代男性でそれぞれ3%を超えました。
【ダイジェスト】では、「テレビのニュース・情報番組」が1位、「ネットニュース・Web記事」が2位でしたが、20代男性と40代男性ではその順位が逆転します。3位の「新聞記事」は60代男女では12%を超える値を示すなど、性・年代によって情報入手経路に違いが見られました。
5.意識調査
最後に、意識調査の結果を「WBCと侍ジャパンの評価」と「ユニバーサルアクセス権」に分けて報告します。なお、専門知識や興味がないと回答しづらい質問については選択肢「わからない」を設け、それ以外の回答を有効回答としました。
5-1.WBCと侍ジャパンの評価
本研究所が大会前に実施したアンケート(N=10,000)における優勝チーム予想は、「日本」が圧倒的な1位で71.2%、次ぐ「アメリカ」が20.0%で、その2か国で9割以上を占めていました。しかし実際は、日本は準々決勝でベネズエラに敗れてベスト8で敗退、アメリカも決勝でそのベネズエラに敗れて、2大会連続の準優勝で幕を閉じました。
しかし、「ベネズエラの優勝は納得」と76.0%が回答したように、投打ともに充実した戦力と、抜け目のない全力プレーで初の栄冠を勝ち取りました。全盛期のスター選手を集め史上最強の呼び声高かったアメリカも、準々決勝で圧倒的な破壊力(韓国に7回コールド勝ち)を見せたドミニカ共和国を投手戦で下しました。これらから、72.6%の回答者が肯定するように、第6回を迎えた今回のWBCは、真に「最高峰の野球の国際大会として定着した」と言って差し支えないでしょう。
裏を返せば、それだけ日本の前には高く険しい壁が待ち構えることになります。ですが、だからこそ、次なる大きな世界大会、しかも侍ジャパンの主力メンバーである大谷翔平選手と山本由伸選手が所属するロサンゼルス・ドジャースの本拠地「ドジャースタジアム」で開催される2028ロス五輪「野球」での金メダルを多くの回答者が熱望してやまないのでしょう。
5-2.ユニバーサルアクセス権
本研究所では、WBC2023に際しても、大会後にN=1,000の調査を実施しました。WBC2023では日本が14年ぶりの世界一に輝いてフィーバーに沸き、「WBCの話題で盛り上がった」の回答は85.5%を記録しました。それに比べWBC2026はベスト8敗退とはいえ、同じ質問の回答が35.5%にとどまりました。
この一因は、リアルタイム観戦の媒体がNetflixに限られたことと無関係ではないでしょう。そのため、「地上波テレビで放送してほしかった」が63.4%に達し、「Netflixによる独占配信は成功」の評価は20%に届きませんでした。そして、ユニバーサルアクセス権に関連する質問「国民の関心が高いスポーツ大会は、誰もが無料で視聴できることが望ましい」には、全回答者(N=1,000)の70.8%が「はい」と回答しました。
しかしながら、国内におけるテレビ離れや、国際的な放映権料の高騰化から、無料放送から有料配信への流れは不可逆的な時代の趨勢だとする向きもあります。現時点では「WBCだけでなく、今後は五輪やサッカーW杯も有料配信になっていくと思う」の賛否がほぼ拮抗している状況です。今後、ユニバーサルアクセス権の法整備が進むのか、より一層の商業化が進むのか、本研究所では引き続き全国調査を通じて、注意深くその動向を探っていきます。
【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2026年3月19日~23日の5日間
調査対象:大会前に実施した全国1万人アンケート(2026年2月16日~19日)回答者内の1,000人
調査監修:小野田哲弥(産業能率大学スポーツマネジメント研究所研究員/情報マネジメント学部教授)
調査協力:伊東朔・木川侑香(小野田ゼミ)
【回答者属性】 (N=1,000)


【産業能率大学】
■ホームページ:https://www.sanno.ac.jp/
回答人数は1,000人。調査内容は、全試合の結果認知とリアルタイム観戦率、日本代表選手の活躍満足度、Netflixの加入・継続動向、非加入者の代替手段、WBCの評価やユニバーサルアクセス権に関する意識などです。
1.試合内容認知率とリアルタイム観戦率

2.日本代表選手の活躍満足度※1 ※1:その選手を認知している回答者の中で何%が「活躍に満足している」と回答したか

3.WBC2026視聴目的のNetflix新規加入者と通常契約者との継続意向比較

4.Netflix非加入者N=733※2の情報入手経路 ※2:WBC2026開催中の入会者には未加入期間について質問

5.意識調査※3 ※3:専門知識や興味ないと回答しづらい質問には選択肢「わからない」を設け、それ以外の回答を有効回答とした。

1.試合内容認知率とリアルタイム観戦率
WBC2026の1次ラウンド(4プール40試合)と準々決勝4試合、準決勝2試合、決勝1試合の全47試合について、最初に【試合内容認知】の質問を行い、続いてそれらの試合の【リアルタイム観戦】について尋ねました。
調査を実施した1,000名のうち、「リアルタイムで観戦した試合がない」の回答者は71.6%でした。これは今回のWBCがNetflix(ネットフリックス)によるライブ中継の独占配信という、前例のない視聴環境だったことが一因と考えられます。
下の2つの表は、いずれも1,000人を分母に計算した【試合内容認知率】と【リアルタイム観戦率】のトップ10です。


【試合内容認知率】の1位は準々決勝のベネズエラ戦。トップ5はいずれも日本戦で認知率40%を超えました。続く6位が決勝戦、7~8位が準決勝という順当な結果でした。9位には同じプールCを戦った韓国の準々決勝の試合が入り、10位は今大会最大の番狂わせともいわれたイタリアがアメリカを破ったプールBの試合が入りました。
【リアルタイム観戦率】では、過去のWBCで幾度となく死闘を演じてきた韓国との試合が準々決勝を上回り1位でした。6位の決勝戦は日本時間の平日午前中ということもあり5%を割りました。プールC(東京ラウンド)は時差がないため、視聴しやすい時間帯の試合もありましたが、Netflixによる独占配信の影響か、7位以降は2%を切る結果でした。
2.日本代表選手の活躍満足度
日本代表「侍ジャパン」の30選手に関しては、最初に知っている選手を選ぶ【認知選手】の質問を行い、続いて認知選手を対象に【活躍満足】を尋ねました。いずれも該当する選手全員を選択できる質問です。
「活躍満足」度数を「選手認知」度数で割った値を【活躍満足度】と定義し、MLB(メジャーリーグ)とNPB(日本プロ野球)の所属ごとにそのトップ5を以下の表にまとめました。チームのベスト8敗退を受け、一部で評価が分かれる結果となりましたが、世界と戦う雄姿に満足した回答者も数多くいたことが確かめられます。


3.Netflixによる独占配信
今回のWBCは、ライブ中継の視聴がNetflixの契約者に限られるという異例の大会でした。本章では「大会前契約意向の検証」と「今後の契約継続意向」に分けて、調査結果を掘り下げます。
3-1.大会前の契約意向の検証
本研究所ではWBC2026が開幕する3月5日のおよそ2週間前に当たる2月16日~19日に、日本在住の20歳~69歳の男女10,000人(総務省統計局最新人口推計の都道府県・性別・年代構成比に準拠)に対して「Netflixの契約状況・契約予定」に関する調査を実施しました。その際の契約予定者が実際にはどの程度入会したのか、3月19日~23日に1,000人に対して実施した大会後調査の結果に照らして検証します。

大会前調査では「WBC2026による新規契約」の最大値を「WBC2026が理由で契約」(4.9%)と「盛り上がり次第で契約検討」(8.8%)の合計値である13.7%と予測しました。大会後調査では、WBC2026を理由とする新規契約率は「開幕前に契約」(6.8%)と「大会期間中に契約」(4.7%)を合わせた11.5%となり、予測の範囲に収まりました。なお、大会前の「どんなに盛り上がっても契約しない」(68.0%)と、大会後の「大会期間を通じて、契約しなかった」(67.5%)はほぼ同率であり、大きな変化は見られませんでした。
他方で、大会前調査時よりも大会後調査時の方が「WBC2026以外の理由で契約」の比率が2.3ポイント上昇(17.3%から19.6%へ)している理由については、Netflixが2月19日から3月18日まで実施した「WBC応援キャンペーン」(広告付きスタンダードプランが通常の月額890円から498円に値下げ)の影響が少なくなく、WBC以外のコンテンツ視聴を目的とする層がNetflixに新規入会する動機付けになったと推測できます。
3-2.今後の契約継続意向
前節で触れた副次的な効果も含め、NetflixはWBC2026を機に理論上20代~60代の約14%にも当たる膨大な新規加入者(WBC目的11.5%+WBC以外2.3%)を獲得したと予測できます。その新規加入者の多くがキャンペーン終了後もサブスク契約を継続したらビジネス的にも大成功ですが、将来的な見込みはどうなのでしょうか。
そこで、「通常契約者」(開幕前からWBC2026以外の理由で契約していた)、「WBC目的の新規加入者」、「WBC目的以外の新規加入者」(大会期間中に、WBC2026以外の理由で契約した)の3つの区分に注目し、それぞれの継続意向を比較しました。
「ずっと契約を続ける予定」と「しばらくは契約を続ける予定」を統合して【継続予定】、「少ししたら解約する予定」と「最短で解約する予定/すでに解約済」を統合して【解約予定】と集約すると、通常契約者の継続予定率は95%を超えるのに対して、WBC目的の新規加入者では73.0%が解約予定であることが判明しました。該当者が少ないため不安定ではありますが、WBC目的以外の新規加入者もほぼ同様の比率であり、キャンペーン目的の加入という前節の仮説がほぼ裏付けられる結果となりました。

ただし、爆発的な新規加入者のうち約27%が継続見込みという点は、一過性と呼ぶには極めて大きな比率であり、WBC2026の独占配信ならびに応援キャンペーンを「成功」と評価することもできなくはないでしょう。
4.Netflix非加入者の情報入手経路
前章より、WBC2026開催期間中の最大のNetflix契約率(家族や同居者が契約し視聴可能な状態も含む)は31.1%に達していたと考えられますが、第1章では、それを大きく上回る「試合内容認知率」が示されていました。大会期間を通じて契約しなかった67.5%の人たちは常時、WBC2026の開催中に入会した人たちはNetflixに契約するまでの間、どのようにWBC2026の情報を入手していたのでしょうか。該当者733人の入手経路を【リアルタイム】と【ダイジェスト】に分けてまとめました。

【リアルタイム】では、「速報アプリ・速報サイト」が群を抜いて高く22.2%でした。2位は「SNS」でしたが、20代女性では、速報アプリ・速報サイトの11.9%を上回る23.8%でした。3位は地上波テレビ放送がされないことで再注目された「ラジオ放送・radiko」。こちらは50代男性と60代女性でSNSの値を上回りました。4位の「契約している友人・知人と視聴」は60代男女で、5位の「パブリックビューイング」は20・30代男性でそれぞれ3%を超えました。
【ダイジェスト】では、「テレビのニュース・情報番組」が1位、「ネットニュース・Web記事」が2位でしたが、20代男性と40代男性ではその順位が逆転します。3位の「新聞記事」は60代男女では12%を超える値を示すなど、性・年代によって情報入手経路に違いが見られました。
5.意識調査
最後に、意識調査の結果を「WBCと侍ジャパンの評価」と「ユニバーサルアクセス権」に分けて報告します。なお、専門知識や興味がないと回答しづらい質問については選択肢「わからない」を設け、それ以外の回答を有効回答としました。
5-1.WBCと侍ジャパンの評価
本研究所が大会前に実施したアンケート(N=10,000)における優勝チーム予想は、「日本」が圧倒的な1位で71.2%、次ぐ「アメリカ」が20.0%で、その2か国で9割以上を占めていました。しかし実際は、日本は準々決勝でベネズエラに敗れてベスト8で敗退、アメリカも決勝でそのベネズエラに敗れて、2大会連続の準優勝で幕を閉じました。
しかし、「ベネズエラの優勝は納得」と76.0%が回答したように、投打ともに充実した戦力と、抜け目のない全力プレーで初の栄冠を勝ち取りました。全盛期のスター選手を集め史上最強の呼び声高かったアメリカも、準々決勝で圧倒的な破壊力(韓国に7回コールド勝ち)を見せたドミニカ共和国を投手戦で下しました。これらから、72.6%の回答者が肯定するように、第6回を迎えた今回のWBCは、真に「最高峰の野球の国際大会として定着した」と言って差し支えないでしょう。
裏を返せば、それだけ日本の前には高く険しい壁が待ち構えることになります。ですが、だからこそ、次なる大きな世界大会、しかも侍ジャパンの主力メンバーである大谷翔平選手と山本由伸選手が所属するロサンゼルス・ドジャースの本拠地「ドジャースタジアム」で開催される2028ロス五輪「野球」での金メダルを多くの回答者が熱望してやまないのでしょう。
5-2.ユニバーサルアクセス権本研究所では、WBC2023に際しても、大会後にN=1,000の調査を実施しました。WBC2023では日本が14年ぶりの世界一に輝いてフィーバーに沸き、「WBCの話題で盛り上がった」の回答は85.5%を記録しました。それに比べWBC2026はベスト8敗退とはいえ、同じ質問の回答が35.5%にとどまりました。
この一因は、リアルタイム観戦の媒体がNetflixに限られたことと無関係ではないでしょう。そのため、「地上波テレビで放送してほしかった」が63.4%に達し、「Netflixによる独占配信は成功」の評価は20%に届きませんでした。そして、ユニバーサルアクセス権に関連する質問「国民の関心が高いスポーツ大会は、誰もが無料で視聴できることが望ましい」には、全回答者(N=1,000)の70.8%が「はい」と回答しました。
しかしながら、国内におけるテレビ離れや、国際的な放映権料の高騰化から、無料放送から有料配信への流れは不可逆的な時代の趨勢だとする向きもあります。現時点では「WBCだけでなく、今後は五輪やサッカーW杯も有料配信になっていくと思う」の賛否がほぼ拮抗している状況です。今後、ユニバーサルアクセス権の法整備が進むのか、より一層の商業化が進むのか、本研究所では引き続き全国調査を通じて、注意深くその動向を探っていきます。
【調査概要】調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2026年3月19日~23日の5日間
調査対象:大会前に実施した全国1万人アンケート(2026年2月16日~19日)回答者内の1,000人
調査監修:小野田哲弥(産業能率大学スポーツマネジメント研究所研究員/情報マネジメント学部教授)
調査協力:伊東朔・木川侑香(小野田ゼミ)
【回答者属性】 (N=1,000)


【産業能率大学】
■ホームページ:https://www.sanno.ac.jp/

