インクルーシブ教育とスポーツを組み合わせた新たな取り組み。体を動かすって安心する!病気や障がいがあっても幸せに生きられる!という学びから、子どもたち自身が【自分の価値観】について考えるきっかけに。
一般社団法人エニワンプロジェクトのプレスリリース
「病気のある人もない人も当たり前に生きられる世の中に」をスローガンに掲げ、難病当事者3名が活動する、一般社団法人エニワンプロジェクト(本社:東京都練馬区、代表理事:狐崎友希)が、性別やルーツ、得意・不得意に関係なく、誰もが同じ場で体を動かし、楽しむことができるインクルーシブなスポーツ体験として2025年12月15日(月)に神奈川県の小学校で、3年生を対象にヨガ授業を実施しました。本取り組みは、単発の実施にとどまらず、「自分らしい生き方」を考えるきっかけとして、全国の小学校・中学校学校での特別授業や、子供向け/親子向けイベントとして広げてまいります。
偏見を超えるヨガ授業 体験レポート
当日は、「偏見を超えるヨガ授業」として、小学3年生の2クラス64名と保護者の方6名が参加し、難病当事者ヨガインストラクターを講師に、性別やルーツ、病気や障がいの有無に関係なく、みんなで一緒に体を動かすことを目的に開催しました。
①講師紹介
エニワンプロジェクト代表理事であり、「エニワンヨガ」代表、全米ヨガアライアンス認定RYT200/RYT300、メディカルヨガインストラクターを取得したヨガインストラクターの狐崎友希が講師を務め、講師紹介の中で、自身が難病発症をきかっけに杖をついて歩くようになってから、ヨガインストラクターになるまでの経験を本音で語りました。
「人とちがっていい」「今の自分の体で参加していい」という安心と、人生において困難があっても幸せに生きられるという学びを得ることで、子どもたちが「自分らしい生き方」を考えるきっかけになりました。
実施した小学校の3年学年主任の声
以前の仕事のことや、病気とともに生きてきた経験について語る講師の話に、子どもたちは真剣に耳を傾けていた。学校の授業ではなかなか聞くことのない「仕事」や「病気」の話を、資料を読むのではなく、一人の人の言葉として直接聴く時間。だからこそ、その一つひとつが、まっすぐ子どもたちの心に届いていたのだと思う。そばで話を聞こうと、自然と駆け寄っていく子どもたちの姿が、その真剣さを何よりも物語っていました。
②ヨガ体験
座る・四つん這いなど多様な姿勢で行えるヨガを通し、「勝ち負け」「人と比べる」ことから離れ、自分の体と心に意識を向ける時間となりました。
動物名のついたポーズを使ったクイズや遊びを取り入れ、運動が苦手な子でも自然に体を動かしたくなるヨガ体験で、「競い合うものだけがスポーツではない」という気付きが得られ、子どもたちからは、「できなくても楽しかった」「みんなで一緒にできたから楽しかった」という声が多く聞かれました。
実施した小学校の3年学年主任の声
最初は「ヨガって何?」という様子だった子どもたちも、体を動かすうちに、その面白さや心地よさに少しずつ気づいていった印象です。ゆっくりポーズをとり、保つことの楽しさと難しさを同時に感じながら、「体が柔らかくなった気がする」「気持ちも体も落ち着いた」「心がシーンって静かになった」と声が上がる。学習指導要領が掲げる「自分の心と体と向き合う」というねらいが、自然と実現されているように感じられました。
③グループ対話・振り返り
少人数グループで感想や講師への質問を書き出し、講師が各グループを回りながら対話する時間を設けました。
体験を共有することで、「そんな感じ方もあるんだ」と互いの違いに気づき、感じ方は人それぞれでいいという気付きが得られました。
子どもたちの感想(抜粋)
-
きつかったけど楽しかった
-
リラックスできた
-
疲れたけど面白かった
-
ヨガをしたら気持ちが落ち着いた・すっきりした
-
体が伸びて気持ちよかった
-
ヨガって何をするのか分かった
-
体が硬くてもできることが分かった
-
みんなで一緒にできたから楽しかった
-
家でもやってみたいと思った
-
木のポーズが楽しかった
-
大人になったらヨガを始めてみたい
子どもたちからの主な質問(要約)
-
なぜヨガを始めたの?どうしてヨガが好きなの?
-
いつからヨガをしているの?どうしてそんなに体が動くの?
-
ヨガをするとどんな気持ち?どんな効果があるの?
-
病気はいつから?どんな病気?
-
どうしてヨガの先生になったの?どうして教えに来たの?
-
ヨガで友だちはできた?
-
なんでそんなに続けられるの?
-
好きな食べ物は?好きな人は?
-
全部のポーズができるの?
-
体はいつ柔らかくなるの?
④ 全体共有・質問タイム
最後に、グループワークで出し合った感想や質問を全体に共有しました。
質問に対しては、講師が1つ1つその場で時間が許す限り応答し、回答しきれなかった質問は、後日返答を動画で撮影したものを学校へ送り、体験を振り返る機会を届けました。
実施した小学校の3年学年主任の声
最後の質問タイムでは、「それ聞いてみたい」と他者の意見に耳を傾ける子どもたちの姿が多く見られた。難しいと思われがちな質問づくりも、授業の流れの中で自然と声が上がり、受け身ではなく自分から聴き、考え、応答するやり取りが生まれていた。講師と子どもたちが互いに向き合いながらつくり上げた、心揺さぶられる授業でした。
正解・不正解のないヨガ体験と、難病当事者との出会いにより、人と比べない、ちがってあたりまえなんだという価値観が得られ、子どもたちへ楽しみながらインクルーシブ教育を取り入れられた結果となりました。
2か月後に同校を再訪した際には、「今も家でやってるよ!」「ポーズ覚えてる!」という声が聞かれ、ヨガが家庭や子供たちの遊びの中で続き、日常的に体を動かすきっかけになっていることを実感しました。
ヨガ授業講師の声
正直に言うと、小学3年生がヨガを楽しんでくれるだろうかと少し不安もありました。ですが、元気いっぱいだった子どもたちが、ヨガが始まると静かに深呼吸をし、一生懸命ポーズをまねして動いてくれました。動物の名前で伝えたポーズを最後に振り返ってもらうと、10個近いポーズをほぼ完璧に覚えていて、その集中力と記憶力に驚きました。
『リラックスできた』という声も多く、今の小学生も大人と同じように緊張やストレスを抱えているのだと気づかされました。運動が苦手な子どもでも安心して取り組めるのがヨガの良さです。難病当事者としての経験を伝えたあとだからこそ、人と比べず、自分のできることに向き合えばよいと感じてもらえたのではないかと実感しています。
本取り組みを、授業で取り入れていただけるという学校、先生方、保護者の方、小学生を対象にしたイベントを企画しプログラムの1つに取り入れていただける教育委員会や自治体、イベント企画の方は、お気軽に下記へお問合せください。
〈インクルーシブヨガ体験〉お問合せ先:eniwanproject@gmail.com
※実施規模や内容、ご要望をお伺いした上で、最適な形をご提案し、費用についても個別にご案内いたします。
子どもたちのスポーツ離れと教育現場の現状
ヨガ授業を体験した子どもたちの声から、本取り組みが教育現場や地域において果たす役割の大きさが浮き彫りになりました。
2026年2月6日から冬季オリンピック、3月6日から冬季パラリンピックが開催され、選手たちの活躍に世界が注目する一方で、日本では子どもたちのスポーツ離れが課題となっています。
従来の体育教育では、「できる・できない」「勝つ・負ける」といった評価軸が強く、運動が得意でない子どもにとっては自己肯定感を下げる体験になり得る側面もあります。
また、多様性が広がる社会の中で、性差やルーツなどの違いを意識する機会も増え、自分自身と向き合うことの難しさを感じる子どもも少なくありません。
特に成長期に入ると、身体や心の変化に戸惑いを覚える子どもも多く、「人と比べない運動体験」の重要性が高まっています。
教育現場での体育科に対する配慮(教員の声)
運動が苦手な子どもへの配慮は、種目によって配慮の仕方が異なり、全体的な配慮は難しいのが現状です。ただ、できるようになる強制はせず、楽しめる活動として、種目によって必要な要素をスモールステップで進めていき〈体育は苦手=できない〉を無くすようにしています。
また、最近は競争ではなく自分がより成長したか(リレーでいうと順位ではなく最初のタイムよりいかに縮められたかとか)に軸を置くことが多いです。
そのような中で、ヨガ授業に参加した子どもたちは、「ヨガ」を「運動/スポーツ」としてだけでなく、『気持ちが落ち着くもの』『安心できるもの』として体験していました。
『体が硬くてもできる』『少し痛くても楽しい』など、自己否定につながりにくい運動体験になっているだけでなく、『みんなでできたから楽しい』という声も多く、比較ではなく共体験になっているのも他のスポーツとは違う点です。
『家でもやりたい』『将来やりたい』など、継続意欲につながる反応があっただけでなく、後日『実際に家でやってみた!』という声もあり、放課後や土日に、家庭内で取り入れやすいスポーツでもあります。
子どもたちの運動時間が減っている現状について(教員の声)
放課後や土日に外で遊ぶ子どもが減っているため、自然と学校でも外に出て遊ぶ子が減っています。要因としては、タブレット、PC、ゲームの影響が大きいかと思っています。その背景には親の共働きやひとり親家庭の増加があり、子どもに構ってられる時間がないため、そういった電子機器を与えざるえない問題もあると感じています。
教育現場では、教員が担う課題が膨れ上がり、体育(運動)の課題だけに力を入れることは困難な状況です。
当法人が教育現場や地域イベントを通して、難病・障がい当事者と子たちが触れ合い、かつみんなが一緒に体を動かし、人と比べることなく安心して取り組めるヨガは、〈インクルーシブ教育×新しいスポーツ体験〉として、価値のあるものになると実感しました。
病気や障がいがあっても〈あたりまえに〉楽しめる
本取り組みは、病気や障がいを抱える子どもたちと、健常な子どもたちが一緒に楽しめるものとしても、大きな価値があります。
難病を抱える子供の母親の声
子どもが中学生になり、スポーツに参加したいと言うので、担任に相談しましたが、体力面や安全面の理由から参加を断られてしまいました。その判断は理解できても、即座に「できない」と言われたことは、親子ともに悲しい出来事でした。
中学1年のときに〈もやもや病〉を発症した当事者
発症して運動制限が出たことにより、周りから批判されました。「病気のやつはいらない」と言われ、当時は、偏見だと思わなかったけど、大学生になってあれは偏見だったんだと気付きました。「病人は病人らしくいろ」と言われ、学校に行けなくなってしまったこともあります。
同じ学校に通う、病気や障がいがある子どもたちと、健常な子どもたちが一緒に体験し、グループ対話を通して、感じ方の「ちがい」をお互いに共有することで、「病気の子」「障害児」という認識から、1人の〈人〉として関わるきっかけにつなげる狙いもあります。
病気や障がいのある子どもたちへの対応としては、難病障がい当事者との関りで心理的ハードルを下げ、「自分のできるところまで、正解や不正解はない」という声掛けで、物理的ハードルも下げます。
講師は以前、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方が活動する団体のイベントでヨガレッスンを行った際、冒頭で「筋力は、動かすイメージをするだけでも効果があるので、一緒に楽しみましょう」と声掛けを行いました。
普段のヨガレッスンにも、難病や障がいを抱える当事者の方が多く参加しています。
リハビリにおける運動イメージの効果
運動的イメージ
自分の体内から動作を感じるようにイメージすることで、 動作の感覚と協調性が改善され、運動機能の回復が促進されます。
視覚的イメージ
自分の動作を外部から観察するようにイメージすることで、動作の正確性や空間認識を高め、特に運動のタイミングや動作の一貫性を改善します。
他者の動作を観察することで、ミラーニューロン系が関与し、自分の脳内でも同様の動作回路が活性化され、神経回路が強化されます。
また、ヨガは身体的な課題だけでなく、心理的な課題(慢性疾患とともに生きる精神的苦痛など)にも効果的です。
「できる・できない」ではなく〈チャレンジした〉という体験を、すべての子どもたちに届けてまいります。
ヨガ講師紹介
本取り組みでヨガ講師を務めたエニワンプロジェクト代表理事の狐崎友希は、2014年に国の指定難病である多発性硬化症を発症し、翌年2015年に多発性硬化症と視神経脊髄炎の患者会【M-N Smile】(現在約800名在籍)を立ち上げ、患者会代表として活動してまいりました。
患者会の活動と並行して、全米ヨガアライアンス認定RYT200/RYT300、メディカルヨガインストラクターを取得し、2021年に病気や障がいの有無に関わらず、だれでもできるヨガ【エニワンヨガ】をオープンしました。
◆活動実績
-
YouTubeチャンネル【中外製薬 Chugai Pharmaceutical】にて、視神経脊髄炎/多発性硬化症などの患者さんのために作られた、マインドフルネスヨガの考案・指導・講師として出演
-
2024年8月24日 第4回あいいろのツバメプロジェクト【命の授業】講演登壇&ヨガレッスン
-
2024年9月21日 ノバルティスファーマ株式会社市民公開講座 公園登壇&ヨガレッスン
-
2025年3月 月間PHP3月号に8Pのインタビュー記事掲載
-
2025年6月22日 中外製薬 視神経脊髄炎市民講座にてマインドフルネスヨガ開催
-
2025年10月 株式会社おかぴ 企業向けヨガスタート
一般社団法人エニワンプロジェクト
「OTAGAISAMA(お互いさま)」の精神と「ON-OKURI(恩送り)」の心を大切に、「病気がある人もない人も当たり前に生きられる世の中」を目指して活動する非営利型の一般社団法人です。運営メンバーの3人全員は10年以上にわたり難病と共に生きてきた当事者であり、代表理事のパートナーは2つの難病を抱えている患者家族でもあります。難病と共に生きるメンバーが笑顔でチャレンジし続けることで1人でも多くの人の背中を押し、病気や障がいがあっても挑戦できる場を作り続けています。
今後も、「OTAGAISAMA(お互いさま)」の精神と「ON-OKURI(恩送り)」の心を大切に、笑顔あふれる社会づくりに挑戦し続けます。
Instagram: https://www.instagram.com/eniwanproject/?hl=ja
X: https://x.com/mi0vvjtsib21326
YouTube チャンネル:「つながる声、つながる笑顔」
毎月開催している3つの交流会
-
【COMMU】患者同士の交流会
-
【SUPPO】家族・支援者の交流会
-
【SHARE】両者が参加する交流会
これまで、延べ約80名(疾患約80種類)の方が参加し、疾患や立場を越えて互いを理解し合う「対話の場」を継続しています。
当事者の声を社会に届ける活動
-
患者・家族・支援者を対象としたアンケート調査・インタビューの実施サポート
-
難病・障がいに関する講演やメディア出演
-
製薬企業・教育機関との協働プロジェクト
このような活動を通して、病気や障がいと共に生きる当事者・ご家族の声を社会に届ける活動を展開しています。
法人・個人スポンサーを募集しています
エニワンプロジェクトの活動やプロジェクトにご賛同いただき、一緒に活動を広げていただける法人・個人スポンサー様を募集しています。
【ご関心をお寄せいただける企業様】
直接お話をさせていただきたく存じますので〈eniwanproject@gmail.com〉宛てに、お問合せをお願いいたします。
【一緒に活動を広げていただける個人様】
寄付サイト「congrant(コングラント)」にて、寄付を受け付けております。
【取材・講演依頼について】
代表理事・理事による、メディア取材・講演・パネルディスカッション、ヨガレッスンなどのご依頼も受け付けております。講演とヨガをセットにしたイベント登壇なども可能です。お気軽にお問合せください。
エニワンヨガ
エニワンプロジェクト代表理事 狐崎友希が個人事業として運営する「エニワンヨガ」は、病気のある方もない方も共に楽しめるヨガ活動を展開しています。
難病当事者である自身の経験や資格を活かし、誰もが無理なく心身を整えられる時間を提供しています。
エニワンプロジェクトの活動と連携し、体験型イベントや学びの場の一環としてヨガセッション等を活用しています。
法人概要
社名:一般社団法人エニワンプロジェクト
所在地:東京都練馬区
代表理事:狐崎 友希
設立:2024年11月5日
-
疾患も立場もこえて、想いがつながる新しい交流会
-
病気や障がいへの偏見をなくす活動
-
「あったらいいな」をカタチにする共同開発プロジェクト
-
つながる活動パートナー事業
-
「当事者の声」を社会へ届けるマッチング&調査サポート