日本製鉄 チタン箔による防食工法が宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターで初採用

日本製鉄株式会社のプレスリリース

日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)と日鉄防食株式会社(以下、日鉄防食)は、社会インフラ長寿命化の観点から、チタンの高い耐食性を生かして、鋼構造物へのチタン適用拡大を推進しております。この度、チタン箔の優れた防食特性が評価され、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の種子島宇宙センターで、チタン箔による防食工法が採用されました。

チタン箔による防食工法は、基礎となる部材に厚さ0.1mmのチタン箔と厚さ0.75mmの基材テープからなるチタン箔シートを貼り付け、その上から塗装を行う複合施工です。チタン箔により水分や塩分のような劣化・腐食因子の侵入を完全に遮断し、塗膜劣化と鋼材腐食を抑制することにより、耐食性を向上させます。これによって、メンテナンス省力化とライフサイクルコストの低減を図ることができます。また、この工法は、「明治期に建造された鋼製灯台への長期耐久性防食仕様の適用」では、チタン箔による防食工法が評価され、2018年5月に国土交通省他主催の第二回インフラメンテナンス大賞優秀賞を受賞しております。

JAXA種子島宇宙センター

チタン箔適用箇所

JAXA種子島宇宙センターは、総面積約970万平方メートルにもおよぶ日本最大のロケット発射場です。鹿児島県の南、種子島東南端の海岸線に面しており、三方を海に囲まれていることから、塩害が非常に厳しい環境下にあります。今回、チタン箔による防食工法が採用された箇所は、工場から搬入されたロケットを組立・整備・点検するための大型ロケット組立棟の扉上部のGuideレール部(チタン箔施工:約50平方メートル)です。この部位は、地上約80mに位置しており、頻繁なメンテナンスが困難である上に、腐食により扉の開閉に不具合が生じると、ロケットの発射に支障をきたしうる非常に重要な場所であり、今回のチタン箔施工により、メンテナンスの省力化及びライフサイクルコストの低減に加えて、ロケット発射の定時性への貢献が大いに期待されています。

チタンは、耐食性に優れ、軽く、強いといった様々な特性のある素材です。日本製鉄の優れたチタン材料と日鉄防食の施工技術によって、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「産業と技術革新の基盤をつくろう」)を通じて、ライフサイクルコストを低減し、更なる長寿命化を実現して、安心・安全な災害に強い社会基盤の構築に貢献する製品を提供してまいります。

お問い合わせ先:総務部広報センター 03-6867-2977

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