競馬の歴史は古く、十二世紀頃まで遡ることができるとも言われていますが、現在の競馬につながる近代競馬は、イギリスのチェスターで世界初の競馬場が建設された1540年に幕を開けました。
以来競馬は、イギリス連邦の諸国や日本を始め、アメリカやフランスなどの世界各地で重要な娯楽として楽しまれています。
さて競馬の話題と言えば、出走馬や騎手の活躍が主なところですが、それ以外にも、豪華な賞金も、人々の注目を集めることがしばしばあります。この記事では、そんな競馬の賞金に焦点を当て、破格の高額賞金を出す世界のレースを、ランキング形式で紹介します。
1. サウジカップ(サウジアラビア)
堂々の一位はサウジカップです。こちらはサウジアラビアの首都リヤドにあるキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われるダート1800mのレースで、その一着本賞金はなんと1000万米ドル、賞金総額2000万米ドル(それぞれ日本円で約14億円、約28億円)と破格で、現在世界最高賞金額を誇るレースとして世界中に知られています。
このレースの創設は2020年と、その歴史はまだ始まったばかりと言えるでしょう。世界最高賞金レースを施行を目指すサウジアラビアの肝入りで始まったレースということで、それまで世界で最高賞金のレースとして知られていたドバイワールドカップを大きく抜き去りました。
最近では、日本でもその名前がよく知られるようになり、海外競馬ファンの間で人気のレースとなりました。サウジカップの取扱があるブックメーカーでは、最新のオッズが提供されています。
2. ドバイワールドカップ(ドバイ)
第二位につけたのはアラブ首長国連邦のメイダン競馬場(ドバイ)で開催されるドバイワールドカップです。
こちらは創設された1995年以降、サウジカップが登場するまでの20年以上に渡って、世界最高賞金を出すレースとして広く知られてきましたが、その座をサウジカップに譲った後も、世界屈指の高額賞金のレースであることになんら変わりはありません。
創設当時400万ドルだった総賞金額は、現在、1200万米ドルまで上がっており、一着本賞金は696万米ドルと、やはりこちらも非常に高額です。
こちらのレースには、これまで日本や世界各地の一流馬が参戦してきました。同じ中東開催のサウジカップがドバイワールドカップの前哨戦と捉えられる向きがあることから、レースとしての格はドバイの方に分があると言えそうです。
3. ジ・エベレスト(オーストラリア)
オーストラリアの競馬のレースと言えば、メルボルンカップがよく知られていますが、この『ジ・エベレスト』という名前は、海外競馬ファン以外の方にはそこまで耳に馴染がないかもしれません。
ジ・エベレストは2017年に創設され、ロイヤルランドウィック競馬場で行われる芝・1200メートルのレースです。気になる賞金はというと、総額2000万豪ドル(約19.2億円)、一着本賞金は700万豪ドル(約6.7億円)で、「世界最高賞金の芝競走」ともいわれています。
例年、南半球にあるオーストラリアの春にあたる10月に開催されており、9月から11月に渡って行われる「シドニースプリングカーニバル」の主要競走と位置づけられています。
4. ゴールデンイーグル(オーストラリア)
ゴールデンイーグルは上記で紹介した「シドニースプリングカーニバル」の新たな主要競走として2019年に創設されたレースで、ローズヒルガーデンズ競馬場で開催されています。ジ・エベレストと同様芝のレースで、距離はやはり短めの1500mと短めです。
出走が認められる馬は、南半球産の4歳馬、または北半球産3歳馬のみとなっており、ややユニークな位置付けですが、賞金面では総額1000万豪ドル、一着本賞金525万豪ドルと、メルボルンカップを上回る金額で、ジ・エベレストに次ぐオーストラリアで二番目の高額レースでとなっています。
5. 有馬記念&ジャパンカップ(日本)
高額賞金レースの第5位(タイ)につけたのは、有馬記念とジャパンカップという国内最高峰を争う二つのレースです。特に有馬記念は、競馬をそこまで知らない方でも、一度くらいは耳にしたことがあるに違いありません。それぞれの賞金は、総額10億8500万円、一着本賞金5億円と、当然ながら国内では最高額です。
それぞれの歴史を見ると、ジャパンカップは当初、海外でも通用する日本馬を育成するために、国外の馬を招いて行われるレースという名目がありました。
一方の有馬記念は、中央競馬の一年を締めくくるレースとしての位置付けがあり、その創設の経緯や歴史も大きく違う中で、ともに日本最高峰のレースの一つというポジションになっているのは面白いですね。
さてこの記事では、「高額賞金の競馬のレースランキング」と題して、世界の高額賞金レースをランキング形式で取り上げました。これから春にかけてこの中でも紹介したいくつかのレースも行われますので、世界一流の競走馬たちのレースぜひチェックしてみてください!
*データは2024年の記録に基づくものですが、一部為替やその他の理由により、ランキングの順番が他の資料などと違う可能性があることをご了承ください。