フォーミュラEとFIAが新たに「ピットブースト」機能の導入へ

2月14日・15日開催のジェッダE-Prixより適用開始

FORMULA E OPERATIONS LIMITEDのプレスリリース

  • フォーミュラEとFIAは、レース中にピットレーンで30秒間の600kW超高速充電を行い、レースカーに10%(3.85kWh)のエネルギーを追加供給する新機能「PIT BOOST(ピットブースト)」を発表。2025年2月14日(金)・15日(土)に開催するジェッダE-Prixで初導入

  • ピットブーストは、エネルギー増加のアドバンテージとトラック上の順位下落リスクを天秤にかけながら戦略的な駆け引きを必要とするため、レース展開がよりスリリングに

  • 超高速EV充電技術の進歩を象徴するピットブーストは、充電速度や効率といったEV普及の課題に対応し、フォーミュラEとFIAが「レースから公道へ」の技術移転プラットフォームとして果たす役割を強調

  • ダブルヘッダー形式のうちいずれか1レースでピットブーストの使用が義務化され、1チームにつき1台ずつのみ使用可能。各レースの21日前にチームにはピットブーストの使用可能な時間帯を含むレース情報が通知され、既存のアタックモードとは独立して運用

ABB FIA フォーミュラE世界選手権は、シーズン11の一部のレースで革新的な新機能「ピットブースト」を導入することを発表しました。戦略性、予測不可能性、そしてファンエンゲージメントを高めるように設計されたピットブーストは、最先端のEV超高速充電技術の活用で、フォーミュラEのレースにさらなる興奮を加え、新たな次元へと進化させます。

ピットブーストの概要

ピットブーストは、レース中にピットレーンで30秒間の超高速充電を行い、レースカーに10%(3.85kWh)の追加エネルギーを供給する革新的な機能です。現在の一般消費者向けの急速充電器よりもはるかに大きな電力を供給し、特定のレースでは全ドライバーが利用することを義務付けられています。これにより、戦術に大きな影響を与え、レース結果や作戦を劇的に変える可能性があります。

<ピットブースト機能の主な特長>

  • 34秒間の静止ピットストップを行い、その内の30秒間で600kWの急速充電を実施。レースカーに10%(3.85kWh)のエネルギーを追加

  •  指定されたレースで全ドライバーに義務化

  • 既存のルールである「アタックモード」とは独立して運用され、チームは両方の戦略要素を同時に管理する必要がある

  • ピットクルーは1台につき同時に最大2人まで作業可能。さらに1人が車両の停止と出発を担当

  • 各チーム1台ずつのみに使用可能(同時使用不可)

  • 超高速充電技術を象徴し、「レースから公道へ」の革新を体現

  • FIAがピットブーストを実施するタイミングを決定し、各レースの21日前にチームに通知

レース戦略への影響

ピットブーストは、フォーミュラEのレース戦略を再定義します。ドライバーとチームは、エネルギー追加によるアドバンテージとピットストップによる順位下落のリスクを慎重に見極め、最適なタイミングでの使用を決断する必要があります。これにより、レース展開にさらなるスリルとドラマが加わり、観客に新たな興奮を提供します。ピットブーストは、2025年2月14日(金)~15日(土)に開催されるジェッダE-Prixにて適用開始となります。

コメント

■アルベルト・ロンゴ(フォーミュラE共同創設者兼チャンピオンシップ最高責任者)

「長期間にわたる徹底したテストとシミュレーションを経て、この画期的な技術をついに世界に発表できることを非常にうれしく思います。この技術は、フォーミュラEシリーズだけでなく、現代のモータースポーツ界全体においても、最も野心的でインパクトのある取り組みのひとつとなるでしょう。『ピットブースト』は、チームとドライバーに極めて高いプレッシャーの中で重要な決断を迫る挑戦となります。大胆なオーバーテイクや予想外の展開、そして人間の創意工夫がファンの期待を一層高めるとともに、フォーミュラEとFIAが革新に取り組む姿勢を示します。この技術は、『レースから公道へ』の技術移転を促進するシリーズとして、EV性能の未来における大きな進化を意味します」

■マレク・ナワレツキ(FIAサーキットスポーツ部門 シニアディレクター)

「包括的なテストプログラムを経て、『ピットブースト』の導入により、再び電気自動車の限界を押し広げられることをうれしく思います。この新機能は、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の『レースから公道へ』というメッセージを体現しており、スポーツに新たな戦略的要素を加えることでしょう」

EVイノベーションのハイライト

ABB FIAフォーミュラE世界選手権が電気自動車の進化を牽引し続ける中、ピットブーストは、EV充電技術の急速な進歩を示すとともに、EV普及の主要課題である充電速度と効率を解決し、フォーミュラEが「レースから公道へ」という技術移転プラットフォームとしての独自の地位を確立していることを示しています。ピットブーストは、安全性、信頼性、レースをさらに盛り上げる可能性を確実なものにするため、徹底したテストとシミュレーションを経て導入されています。その運用には、厳格なプロトコルが設定されており、レースの興奮と安全性の両立を実現します。

Tokyo E-Prix チケット「最速先行」抽選は2月上旬より受付開始

フォーミュラEの白熱のレースは、2025年5月17日(土)・18日(日)に開催される、2024/2025シーズン第8・9戦の東京大会「Tokyo E-Prix」でお楽しみいただけます。11チーム、22名のドライバーが、東京・有明の東京ビッグサイト周辺に造られる特設サーキットを舞台に熱戦を繰り広げます。

 

Tokyo E-Prix観戦チケットの最速先行抽選は、2025年2月上旬に抽選受付を開始する予定です。最速先行抽選では、国内在住者だけでなく、海外在住者の方もお申込みいただけます。詳細は、イープラスのウェブサイトにて近日公開します。さらに、同サイト内で「フォーミュラE」をお気に入り登録し、通知をオンに設定いただくと、最新のチケット情報を受け取れます。

※イープラス:https://eplus.jp/sf/word/0000162334

フォーミュラEとABB FIAフォーミュラE世界選手権について

ABB FIAフォーミュラE世界選手権は、世界初の電気自動車によるFIA世界選手権で、カーボンニュートラルが認証された唯一のスポーツです。世界有数の都市の中心部でドラマチックなレースを展開し、世界をリードする自動車メーカーに電気自動車のイノベーションを加速させるためのモータースポーツプラットフォームを提供しています。フォーミュラEのチーム、メーカー、パートナー、放送局、開催都市は、このスポーツに対する情熱と、持続可能な人類の進歩を加速させ、人々と地球により良い未来をもたらす可能性を信じるという信念によって結ばれています。

公式ウェブサイト:https://www.fiaformulae.com/ja/calendar/2023-24/r5-tokyo

 

ABBについて

ABBは、エレクトリフィケーションとオートメーションのグローバルテクノロジーリーダーであり、より持続可能で資源効率の高い未来の実現を目指しています。エンジニアリングとデジタル化の専門知識を結び付けることで、産業のパフォーマンスを高め、効率性、生産性、持続可能性を向上させ、優れた成果を生み出せるよう支援します。私たちは、これを「Engineered to Outrun」と呼びます。140年以上の歴史を有し、世界中に105,000人以上の従業員を擁するABBは、スイス証券取引所 (ABBN) および ナスダック・ストックホルム (ABB) に上場しています。

https://global.abb/

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。