スポーツイベント会場で流れるアリーナ・スタジアムDJや会場アナウンス等をリアルタイムでテキスト化、または必要に応じて翻訳されたテキストをスマートグラスに表示する取組の実証実験を開始しました。
岡山シーガルズ株式会社のプレスリリース
現在、スポーツ庁によるスポーツによる地方創生、まちづくりの推進や、官公庁による国内旅行需要の喚起や外国人旅行者の訪日促進を目的としたスポーツツーリズムが推進されています。
また、健常者・障がい者を問わずスポーツを楽しむための研究・開発も進むなど、年齢・性別・国籍を問わずにスポーツを楽しむために各方面で取り組みが進んでいます。
岡山シーガルズがSDGsパートナーシップを締結しているビュージックスジャパン株式会社(本社:岡山県岡山市北区今)は、メガネ状のデバイスにAR(拡張現実)型ウェアラブル端末であるスマートグラスを製造・販売しています。
岡山シーガルズは今年から新たに新リーグとしてスタートした世界最高峰のリーグを目指す『SV.LEAGUE』へ参戦、年齢や国籍を問わずスポーツ観戦の満足度を高めることを目指すとともに、ホームタウンである岡山に人を呼び込むことによる地域活性化の実現へ取り組んでいます。
そこで、スポーツによる地方創生やすべての人が平等にスポーツを楽しむことが出来る環境整備の実現を目指し、同社のスマートグラスを活用してスポーツ観戦をより多くの人々が楽しむことが出来るソリューション開発を目的として両者の協働の取り組みを開始しました。
新たなソリューションの核となるのは『スマートフォン等のデバイスでテキスト化した音声をスマートグラスに表示し、スポーツ観戦時に視覚から得られる情報に付加価値を与える』ことです。
スポーツイベントの会場では、試合会場に到着してから試合観戦、そして試合後に至るまで、会場に流れるアナウンスから試合中のアリーナ・スタジアムDJの盛り上げトーク、そしてグッズ販売や各種催し物に至るまで、声や音楽などによる様々な情報が溢れています。
ところが日本語を習得していない訪日外国人にとってはそれらの音声が日本語の場合は意味のある情報としては入ってこず、さらに、聴覚障がい者にとってはそれらの情報を聴覚から得ること自体が困難という状況があります。
また、スポーツ観戦に慣れていない方にとって、試合の流れやプレーに関する基礎的な知識などを持っていない場合は観戦を十分には楽しめない可能性もあります。
そこで音声をテキスト化・スマートグラスに表示するソリューションを提供することで、訪日外国人にとっては翻訳された母国語での情報享受、聴覚障がい者にとっては会場内で流れる音声(緊急時の避難アナウンスなども含め)がもたらす情報の入手、スポーツに不慣れな方には専用の解説を視覚からの情報に拡張情報としてテキストでの情報を提供することにより理解が深まり興味・関心も向上します。
岡山シーガルズとビュージックスジャパンがまず取り組んだのはスタジアム・アリーナDJの音声以外にも音楽や効果音、観客の歓声等、様々な音で溢れる試合会場において、提供したい音声のみを抽出し、正確にテキスト化するための検証、および、スマートグラス越しに観る試合の様子に如何に見やすく文字を表示するか、というソフト面からの検証等を行うこととしました。
まずは『2024-25 大同生命SV.LEAGUE WOMEN』の岡山シーガルズ開幕戦でありホームゲームでもある10月12日・13日の赤磐大会で検証を行い、スタジアム・アリーナDJの音声を正確に表示するためのスマートフォン(音声をテキスト化するためのデバイス)への音声入力方法を複数パターンから検討すると共に、試合中の視線移動などを含めて、スマートグラスへのテキストの表示位置の検討を行いました。
赤磐大会での実証実験の結果を元に、10月26日・27日の岡山大会において実際に聴覚障がいを持つ方を招いてスマートグラスを着用してもらい、DJの音声に加えて、スタッフの音声情報としてテキスト化が困難な音声情報(会場BGMとDJの声が混ざった時等)、試合やチームに関するインフォメーションをスマートグラスにテキスト表示して試合を観戦して頂きました。
ここでは、スマートグラスを活用することによる観戦の満足度向上が確認できたとともに、メガネを着用した場合のスマートグラスの装着等の課題を得ることが出来ました。
今後は実証実験で得た結果を元にさらに技術検証、アプリ開発等を進めると共に、多人数の観戦者や外国人を対象とした観戦ツアー、さらには専属の試合解説を含めたスマートグラス観戦ツアー等のソリューション提供実現へ向けて両者で取り組みを進めていく予定です。