ニールセンのプレスリリース
ニールセン・グレースノートは、今週行われたサウジアラビア対アルゼンチンでのサウジアラビアの衝撃的な勝利の後、ワールドカップの歴史において、サプライズとなった試合結果をランキング形式で発表しました。グレースノートの分析では、同社独自のサッカー・ランキングシステムを用いて、92年間にわたるワールドカップの歴史において、いくつもの衝撃的な番狂わせがあったことを明らかにしています。
以下、データ分析をもとにした、最大の衝撃トップ10とその詳細を紹介します。
1. サウジアラビア 2-1 アルゼンチン(勝利確率8.7%) World Cup 2022
アルゼンチンが序盤にリードして試合を優位に進めたものの、ハーフタイム直後の5分間でサウジアラビアに2点を奪われました。1点目は中盤からのスルーパスに反応した、アルシェフリが見事なフィニッシュでゴールを決めました。そして、アルドサリがボックスの内側からカーブをかけたシュートを決め、アルゼンチンがリードしました。サウジアラビアの2点目のゴールの後、アルゼンチンは反撃することができず、ワールドカップ史上最大の番狂わせとなりました。
2. アメリカ 1-0 イングランド(勝利確率9.5%) World Cup 1950
1950年のブラジル大会では、イングランドが優勝候補であったのに対し、アメリカはセミプロのチームであり、期待が高くありませんでした。試合前半はイングランドが優勢でしたが、38分にアメリカのヘディングシュートが決まり、それが決め手となってアメリカに勝利がもたらされました。この後、アメリカがワールドカップで再び勝利を収めるのは、さらに44年後です。
3. スイス 1-0 スペイン (勝利確率10.3%) World Cup 2010
60年前のイングランドと同様に、スペインは2010年ワールドカップの優勝候補でした。対戦相手のスイスは、1954年以来、ワールドカップでは韓国とトーゴにしか勝ったことがないチームでした。シュート数はスペインが22本、スイスが6本でしたが、52分にスイスがゴールを決め、スイスが勝利を収めました。しかし、1950年のイングランドとは異なり、スペインはこの敗戦から立ち直り、3週間後にFIFAワールドカップのトロフィーを手にしています。
4. アルジェリア 2-1 西ドイツ (勝利確率13.2%) World Cup 1982
アルジェリアのワールドカップ初戦は、これまでで最も素晴らしい結果を残しました。アルジェリア選手がチームの先制点をアシストし、優勝候補の一角である西ドイツを相手に決勝点を挙げました。しかしながら、この好スタートにもかかわらず、アルジェリアはグループリーグを突破することができませんでした。西ドイツはこの年、決勝に進出するものの、イタリアに3-1で敗れました。
5. ガーナ 2-0 チェコ (勝利確率13.9%) World Cup 2006
2004年の欧州選手権で決勝に進出し、2006年のワールドカップでは比較的厳しい予選を勝ち抜いたチェコ代表は、2006年ワールドカップでのダークホースだと考えられていました。ガーナはワールドカップのデビュー戦ですでにイタリアに敗れ、厳しいグループリーグを戦っていました。しかしながらチェコ戦では、ガーナはわずか70秒でリードを奪うと、そのままとチェコを下しました。ガーナはその後ノックアウトステージに進出し、ベスト16でブラジルに3-0で敗れました。
6. ウルグアイ 2-1 ブラジル (勝利確率14.2%) World Cup 1950
この試合はグループリーグ最終戦でありながら、事実上のワールドカップ決勝戦とされ、勝者はワールドカップトロフィーを手にすることができるとされていました。ブラジルはこの試合に負けさえしなければ、地元で世界チャンピオンになることができました。しかし、ウルグアイは13分間に2得点し、20万人近い観衆を沈黙させました。この結果は、60年以上にわたってブラジルを苦しめ、8年前にドイツにホームで7-1で敗れた時のトラウマに取って代わられることになりました。
7. 韓国 2-0 ドイツ (勝利確率14.4%) World Cup 2018
ドイツは大会の序盤でメキシコに敗れたものの、その後の韓国戦に勝利できれば、ノックアウトステージへの進出を決めることができる重要な試合でした。韓国はドイツに2点差で勝利し、メキシコがスウェーデンに勝つことを願う必要があり、予選通過にはわずかな可能性しか残されていませんでした。韓国は当時、自国以外で開催されたワールドカップでトーゴとギリシャにしか勝ったことがありませんでした。試合は0-0の引き分けに持ち込まれましたが、ロスタイム4分に韓国がゴールを決め、その2分後にも2点目となる決定ゴールを決めました。しかしながら、メキシコがスウェーデンに負けたため、韓国はグループステージでの敗退が決まりました。ドイツは1938年以来、初めてグループリーグで敗退するワールドカップとなりました。
8. ウェールズ 2-1 ハンガリー (勝利確率16.2%) World Cup 1958
ハンガリーは1954年のワールドカップ決勝で世界に衝撃を与えた強豪と同じチームではありませんでしたが、依然として世界最高のチームの1つとみなされ、グループリーグ通過は必然として期待されていました。ウェールズと1-1で引き分けた後、ノックアウトステージに進むかを決めるプレーオフとなり、試合開始33分でハンガリー代表がゴールを決めて先制しました。ハーフタイム10分後、ウェールズ代表がボレーで同点に追いつくと、残り14分にはカウンターアタックから勝ち越し点を決めました。
9. 北アイルランド 1-0 スペイン (勝利確率16.5%) World Cup 1982
開催国であるスペインはグループリーグを首位で通過するためには、この試合で引き分ける必要がありました。試合はスペインがポゼッションを支配していたものの、突破力はほとんどありませんでした。試合後半開始早々、北アイルランドのストライカーがほとんど無人のゴールネットにシュートを放ち、貴重な1点を決めました。北アイルランドはスペインとともに次のステージに進みましたが、どちらもそれ以上に進むことはありませんでした。
10. セネガル 1-0 フランス (勝利確率17.3%) World Cup 2002
当時のフランスは世界・欧州で共にチャンピオンであった一方、セネガルはこの大会がデビュー戦でした。セネガルの選手の多くはフランスのユース出身で、23人のメンバーのうち21人がフランスのクラブでプレーしていました。ワールドカップの開幕戦であるにもかかわらず、セネガルは気後れすることなく試合に臨み、開始30分、セネガルがこの試合唯一のゴールを決めました。フランスはグループリーグで最下位に終わりましたが、セネガルは準々決勝まで進み、アフリカの国によるワールドカップでのベストパフォーマンスに匹敵する成績を収めました。
グレースノート World Football Rankingについて
グレースノートは、2002年にサッカーのランキングを開発しました。チェスのランキングに使われる「Eloシステム」をベースにし、16年の歳月を経て、微調整を重ねながら、独自のランキングを作り今に至ります。算出方法は、2つのチームが対戦する度に、その結果や勝率、ホーム・アウェイ、対戦する2チームの相対的な強さなどをもとに、一方が他方からポイントを「獲得」する仕組みです。ワールドカップや大陸ごとの選手権が最も重要度が高く、一方で親善試合は重要が低く計算されます。大会の重要度によって獲得するポイント数に重み付けをしています。
例えば、ブラジル(ランキング1位)が中立地で行われた親善試合で、ランキング30位のコスタリカに1-0で勝利した場合、ブラジルの評価は比較的少ないポイント数で向上します。一方で、ドイツがアウェイのブラジルで開催されたワールドカップでブラジルを7-1で破った場合、ドイツはブラジルから多くのポイントを獲得し、レーティングを大きく向上させる仕組みです。
衝撃(番狂わせ)の算出方法について
グレースノートのサッカーランキングは、チームの強さを測定するレーティングを使用し、各チームの勝敗の確率を推定しています。この推定で勝利する確率が最も低いチームが勝利した試合が、衝撃(番狂わせ)として認識されます。
ニールセン・グレースノートについて
ニールセングループとして米国・エメリービルに本社を置くグレースノートは、エンターテイメントのデータおよびテクノロジーにおけるリーディングカンパニーです。音楽、ビデオ、スポーツのコンテンツや技術を世界各地で提供し、さまざまな業界で大きな信頼を得ています。2億を超える楽曲情報、85以上の国のテレビ番組表、4,500のスポーツリーグや大会に関する詳細な記録や統計などのデータを揃えており、楽曲や映像の認識技術は業界のスタンダードとなっています。
ニールセンについて
ニールセンは視聴者測定、データ、分析におけるグローバルリーダーとして、世界のメディアとコンテンツの形成を担っています。あらゆるチャネルとプラットフォームにおける人々の行動に関する深い理解を通じ、実用的なインテリジェンスによって、将来にわたってクライアントがオーディエンスとのつながりを構築できるようにサポートします。ニールセンは世界55カ国以上で測定と分析のサービスを提供しています。
詳細は当社ウェブサイトをご覧ください: www.nielsen.com