【世界陸上】サニブラウン・世界選手権男子100m日本人初の決勝進出で7位入賞!

公益財団法人日本陸上競技連盟のプレスリリース

オレゴン世界選手権2022大会第2日の7月16日のイブニングセッションは、決勝3種目、準決勝2種目、予選が2種目行われるタイムテーブル。このうち日本勢は、男子100m、男子走幅跳、女子1500mの3種目に出場しました。

まず行われたのが、エントリーしたサニブラウンアブデルハキーム選手(Tumbleweed TC・ダイヤモンドアスリート修了生)と坂井隆一郎選手(大阪ガス)の2人が、ともにラウンドを進めた男子100mの準決勝。全3組で行われ、各組上位2着と3着以下の上位記録者2名が1時間50分後にスタートする決勝に進出します。1組目に登場したサニブラウン選手は、10秒05(+0.3)で3着、また、2組目に入った坂井選手は、10秒23(+0.1)をマークして6着でフィニッシュ。サニブラウン選手がプラスの1番目となり、この種目の世界選手権において史上初、世界大会としては1932年のロサンゼルスオリンピックにおける吉岡隆徳(6位)以来90年ぶりとなる決勝進出を果たしました。

決勝は、この日の最終種目として行われ、向かい風0.1mの条件のなか9秒86でレースを制したFred KERLEYを筆頭に、アメリカ勢がメダルを独占。サニブラウン選手は10秒06・7位でフィニッシュし、2017年ロンドン大会男子200m(7位)に続く2回目の入賞となりました。

◎サニブラウンアブデルハキーム(Tumbleweed TC)
男子100m 準決勝 1組3着 10秒05(+0.3) =決勝進出
男子100m 決勝 7位 10秒06(-0.1)

(100mの決勝は)独特の緊張感があったな、という感じ。準決勝ほど緊迫はしていなかった。準決勝は、(決勝に)抜けよう抜けようとして、緊迫していたのだが、決勝はみんなもっとリラックスしている感じで、自分の走りをしようとする様子が感じられた。準決勝の突破が決まったときの気持ちは、とりあえず「やった!」という感じもあったが、「ここから」「ここは戦わなければいけないんだな」という感じだった。
(決勝レースを振り返ってほしい、との問いに対して)全く覚えていない。けっこうリラックスしていたと思う。でも、本当に横一線なので、何が起こるかわからないので、とりあえず「やってやろう」とウォーミングアップをしていたし、トラックのなかに入ってからも集中力を切らさずに、「コーチに言われたことをしっかりできるように」というマインドをインプットして、(スターティング)ブロックに入ったような感じだった。
全力でしっかりこういう舞台で走りきるのは、このレベルになってくるのは難しいし、そこで、本当にそれができたのはものすごい収穫。でも、ここで戦うためには、1本準決勝を走って、2本目(となる決勝)でしっかり合わせてこられるような強さが必要だというのがあるので、こんなところで記憶が飛んでいちゃ(笑)ダメだなと感じる。でも、ここでしっかりファイナルを経験できて、来年の世界陸上に向けて、いいスタートが切れたのかなと思う。
フィニッシュしたあとは、普通に「キツいなー」と思ったのと、「やりきったー」という感じだった。悔しかったけれど、それでも全力出しきったので、「まあ、まあ、まあ」かなという感じ。
予選、準決勝、決勝と、タイムを落とす形となったが、決勝はいいスタートが切れなかったなというのがまず1点と、いつも練習している通り、60mからしっかり(地面からの)反発を使って、跳ねるような感じで走るのを、よく120(m走)とかで練習していたのだが、そこをしっかりやってこられるのがやっぱりメダルを取っている選手で、60(m付近から)からすーっと(競り合いを)抜けてくる。そういうところをしっかり、こういうところで、練習通り…それ以上にできる者が勝つのかなということを身に沁みて感じた。
今回、チームメイト(Marvin BRACY:銀メダル、Trayvon BROMELL:銅メダル)がメダルを取った。悔しい思いもしたが、チームメイトだし、日ごろどれだけ頑張っているのかを間近で見ているので本当に嬉しい。2人にはあとで会ったら「おめでとう」と言いたい。

▼サニブラウンアブデルハキーム選手からのメッセージはこちら▼

 

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト

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