メガイベント開催迫る! スポーツ熱が高まる今、熱中症を正しく防ごう ~JSPOの予防ガイドブックが改訂~

公益財団法人日本スポーツ協会のプレスリリース

スポーツを「する」「ささえる」「みる・表現する」ための環境づくりを行うJSPO(正式名称:公益財団法人日本スポーツ協会 東京都新宿区/会長 伊藤雅俊)は、この度「熱中症予防ガイドブック」を6年ぶりに改訂しました。

「熱中症」という言葉がまだ浸透していない約30年前から、日本でいち早くスポーツ時における熱中症予防の研究を行ってきたJSPO。
当時、熱中症を予防するには、熱中症予防の原則を具体的にどのようにスポーツ活動に適用すればよいのかが問題になっていました。諸外国では、こうしたスポーツ活動における具体的な予防指針がいくつか発表されていましたが、残念ながらわが国では責任ある団体によってこのような指針が示されたことはありませんでした。
このような背景から、1991年に「スポーツ活動における熱中症予防に関する研究班」を設置し、スポーツ活動における熱中症事故の実態調査、スポーツ現場での測定、運動時の体温調節に関する基礎的研究など幅広く研究を進めてきました。
こうした研究成果をもとに1994年には熱中症予防の原則の具体的なガイドラインとして「熱中症予防のための運動指針」を発表し、「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」を発行しました。
2019年も梅雨が明けいよいよ夏本番、残念ながら今年も熱中症による死亡事故が発生しています。世界規模のスポーツイベントが目白押しのゴールデンスポーツイヤーズを迎えスポーツへの興味・関心が一層高まる中、特にスポーツ時の熱中症予防のための必携書として是非ご覧ください。
 

  • 熱中症予防のための運動指針

夏のスポーツ現場では、気温と湿度だけでなくグラウンドからの照り返しなど輻射熱の影響も重要になります。したがって、環境温度には気温、湿度、輻射熱、気流の4要素を組み入れたWBGT(Wet-Bulb Globe Temperature=暑さ指数)を用いることが勧められます。WBGTについて:https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid922.html

 

 

  • 暑さへの慣れと熱中症

熱中症は、梅雨明けなどの気温が急に上昇したときに多く発生しており、学校の部活練習における合宿初日や休み明け、あるいは低学年(特に新入生)に多くみられます。いずれも、「体が暑さに慣れていない」からです。
暑い環境下において運動トレーニングを繰り返し行うと、暑さへの抵抗力(耐性)が高くなります。このように体が暑さに慣れることを“暑熱順化”といいます。暑熱順化すると、暑熱環境における生理的ストレスの軽減や、効果的な体温調節に繋がり、熱中症の危険性も少なくなるのです。
最新の「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」では、暑熱順化のためのトレーニングポイントを具体的にご紹介しています!

 

 

  • 運動時の水分補給のしかた

運動中は、過度の脱水にならないように、発汗量に見合った水分を補う※1必要があります。しかし、同時に飲み過ぎにも注意しなければなりません。決められた量の水を無理に飲み続けるような水分補給は水の過剰摂取による低ナトリウム血症発生の原因にもなり、死亡事故を引き起こした例もあります。汗をかいて体から多くの水分が失われると自然に「のどの渇き(口渇感)」をおぼえますが、この「のどの渇き」に応じて、適宜水分を補給することでも十分ということがこれまでの研究で明らかになりました。
※1 元の体重の2%以上の体重減(=脱水)は避けなければなりません。同時に体重減少量以上に過剰な水を取り過ぎてしまうことにも注意が必要です。

これらの情報に加え、一般の方でも熱中症予防に役立つ知識を多くご紹介しています。JSPOホームページからもご覧いただくことができますので、是非熱中症予防に役立ててください!

◆JSPO(公益財団法人日本スポーツ協会)について
JSPOは、1911年7月に「国民スポーツの振興」と「国際競技力の向上」を目的に、大日本体育協会として創立。日本体育協会を経て、2018年4月1日、現在の名称となりました。
JSPOでは、国民体育大会や日本スポーツマスターズなど各世代を網羅したスポーツ大会の開催、スポーツ少年団や総合型地域スポーツクラブなどスポーツをする場の創出、スポーツの楽しみをサポートするスポーツ指導者の育成、最新の医・科学に根差したスポーツの推進など、誰もが自発的にスポーツを「する」「ささえる」「みる・表現する」ための幅広い事業を展開しています。また、わが国スポーツの統一組織として、国や60を超える競技団体、47都道府県スポーツ・体育協会など、様々なスポーツ関連団体・組織や個人と連携しています。
2019年の大河ドラマ「いだてん」で、主人公を導く重要な役回りとして登場する嘉納治五郎はJSPOの初代会長であり、JSPOは「いだてん」の舞台でもあります。

 

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