「部活」の地域移行から、地域のスポーツクラブ産業の創出へ

経済産業省のプレスリリース

経済産業省では、地域×スポーツクラブ産業研究会(座長:間野 義之 早稲田大学スポーツビジネス研究所 所長)を立ち上げ、2020年10月から2021年3月までに計10回開催した議論の内容を、第1次提言として取りまとめました。
教員の過剰労働問題や少子化による生徒減で学校部活動の持続可能性が危ぶまれる昨今、この提言によってジュニア世代に新たなかたちのスポーツ環境を提供する第一歩となります。また、「サービス業としての地域スポーツクラブ」の可能性は、トップスポーツ(プロ・実業団・大学等)の成長戦略と車の両輪として、より大きな「スポーツ産業」という視座で考える必要性を提言します。

1. 地域×スポーツクラブ産業研究会立ち上げの趣旨・背景

「教員の過剰労働問題」や「少子化による生徒減」によって日本のジュニア世代(小、中、高校生)のスポーツ環境である学校部活動は教育現場だけでは担いきれない状況にあります。他方、部活動から得られる体験はジュニア世代の子どもたちにとってかけがえのないものです。こうした現状を打破するためにも、ジュニア世代のスポーツ環境を地域移行させる必要がでてきました。
例えば欧州では地域社会・経済のエンジンとしての「地域スポーツクラブ」が多数存在し、トップスポーツクラブの存在と相まって地域に根ざした裾野の広いサービス業を形成しています。日本でも、90年代に発足したJリーグがそうした方向性を指向して成長してきました。
こういった有償で質の高い指導・プレー環境・人的交流機会を提供する「サービス業としての地域スポーツクラブ」は学校部活動に代替し、教員の働き方改革に貢献することや、ジュニア世代のみならず生涯を通じた多様なスポーツに取り組む環境を整えることに加え、地域の産業発展にも寄与する可能性があります。このため、経済産業省では、スポーツ庁等関係機関の参画も得て研究会を立ち上げ、これまでも推進されてきた「総合型地域スポーツクラブ」を含め、持続可能なスポーツクラブ産業のあり方について、課題の洗い出しと、対策の方向性を議論しました。

2.第1次提言について
地域スポーツクラブを軸にした、新しい社会システム像を実現するために、検討されるべき5つのポイントを提示しました。また、この「サービス業としての地域スポーツクラブ」の可能性は、トップスポーツ(プロ・実業団・大学等)の成長戦略と車の両輪として、より大きな「スポーツ産業」という視座で考える必要性を提言します。つまり、トップスポーツの興行の映像やチケットの販売、選手・チームのデータを駆使したゲーム等のエンタテイメント、Sports-Tech(スポーツテック)、フィットネス・ヘルスケア、スポーツ用品の開発・販売などが生み出す「大きなスポーツ資金循環」の中に「サービス業としての地域スポーツクラブ」を位置づけて考える必要がある、という問題意識を明確にしていきます。

<地域スポーツクラブを軸にした新しい社会システム像に向けた提言>

 

<トップスポーツと地域スポーツが「車の両輪」として成長>

 

<参考資料>
地域×スポーツクラブ産業研究会第1次提言_概要版
https://prtimes.jp/a/?f=d82634-20210719-1c672be8f14a795544a242643adce446.pdf

 

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